放牛石仏・第107体

(場所) 住所は、熊本県上益城郡益城町谷川(たにごう)です。健軍の電停終点から、ひたすら県道28号線(熊本高森線)を東へ進みます。益城町の木山を過ぎると、やがて矢部町は右折という大きな道路標識が目に入ります。ここから右折して進みますと益城中央小学校の前に出ます。小学校から500mほど行くと左へ曲がる道があります。曲がるとすぐに福田郵便局があります。郵便局の前を過ぎると、やや右前方に町立第5保育園が見えます。保育園の前に駐車場があり、そこからさらに右方向へ丘に向かって登り坂があります。この坂道を300mほど登りますと、若宮神社があり、その近くの小さな地蔵堂の中に安置されています。

          

 

(石仏) なんともユーモラスな顔をした地蔵です。顔の鼻はつぶれていますから、倒れたことがあるのかもしれません。風雨にさらされたとは思えませんが、光背は苔が生えて変色しています。両手に宝珠を持つ、地蔵菩薩の立像です。この石仏は、享保17年(1732)に建立されたものです。

(測定) 蓮華座の底辺から測定した全体の高さは、83cmです。蓮華座の高さは13cmあり、その上の仏像の高さは47cmあります。光背の幅は34cmあり、蓮華座の底辺幅は27cmです。台石の長さは、横28cm・縦28cmになっています。ところで台石は土の中に埋められているため、高さの測定はできませんでした。道歌の一部が見えます。

(文字) 光背の上部中央に「南無 阿弥 陀仏」とあります。また光背の右側に「百七躰」 「他力放牛」、左側に「享保十七壬子十月吉日」と彫られています。半分以上埋められている台石には「一へん 八十 を」の文字が見えます。

(道歌) 一へんの称名にて 八十億劫の 罪を滅す

(備考) 平成14年1月5日、二度目の訪問をしました。次に来るときに迷わないよう、途中車を止めて、道路標識や郵便局、保育園に交叉点等を撮影しました。番号が彫ってある放牛石仏は、この第107体で終わりになります。