放牛石仏・無番号第5体

(場所) 住所は、島崎7丁目になります。加藤清正を祀る本妙寺の側を通り、金峰山に向かいます。あと1kmほどで峠の茶屋というあたりで、きれいに整備された公園があります。ここには夏目漱石の句碑もあり、休憩できるようになっています。県道左側にはバス停があって、「鎌研坂」(かまとぎざか)となっています。舗装していない道が下から続いて、坂の終点になっていますが、この坂が鎌研坂です。石仏は公園の奥の小さな堂に安置されています。

          

 

(石仏) 無番号第5体は、両手で合掌している地蔵菩薩で、立像になっています。傷みが激しく、光背は頭の部分で二つに割れ、セメントで修理してあります。また、合掌している指の先が欠けています。顔の表情は口が開いているため、なんとなく笑っているように感じます。蓮華座の造りは貧弱で、石が二段になっているように見えます。

(測定) 蓮華座の底から測定した全体の大きさは、70cmと小さめです。蓮華座の高さは、12cmです。その上に、高さ37cmの仏像があります。光背の幅は30cmあり、蓮華座底辺の幅は27cmです。台石は石仏に対して大きいもので、横38cm・縦40cm・高さ30cmとなっています。正面に道歌がありますが、磨耗しています。「他力」の文字は読めます。

(文字) 光背の上部に「念仏妙法」、光背の右側に「知秋孤児」、左側に「熊本願主放牛」と刻まれています。

(道歌) 分登る ふもとの道はさまざまに 同じたかねの 月をなかむる

(備考) 平成14年1月6日の朝、島崎にある岳林寺を右折して鎌研坂に向かいました。途中までは舗装してありますが、やがて採石場あたりから未舗装になります。登りつめてこの県道に出たとき、やっと地理が理解できました。鎌研坂の途中で、いくつも地蔵が並んでいる場所があります。新しい地蔵が三体あり、持物(じぶつ)がそれぞれ異なっています。私にとって、参考になりました。