★★ 平行四辺形を作る ★★ 

数学の授業は、教科書とチョーク1本でできると言う人がいます。確かに授業は可能ですが、それでは生徒がかわいそうです。生徒にとってわかるできる数学を指導するには、教材教具を工夫しなければなりません。平成28年2月作成。

1 教具解説

金属の「曲げプレート」という金具を利用しました。長さの異なる2種類を組み合わせて、4本で平行四辺形に組み立てました。裏にマグネットテープを2ヶ所(上下)だけ貼りましたから、黒板で動かすことができます。一番苦労したのは、角の接続部分をどうするかということでした。

2 作成方法

この曲げプレートは、平成17年度から始まった「理数大好きモデル地域事業」で使った品物です。この事業が終わったあと、私の自宅に保管していました。1本500円以上するプレートですが、手元に100本ほどありました。もったいないので、これで数学の教材を作ることにしました。
長いプレートは40cmで、短いプレートは35cmです。実際には短いのは30cmがよかったのですが。問題は4枚のプレートをどのようにつなぐかということです。

    

@ 最初に考えたのは、ボタンとアルミ線を利用する方法です。穴にアルミ線を通して、裏で曲げる方法です。角の穴が大きいので、ボタンを利用したのです。アルミ線にした理由は、安全面と加工しやすさです。しかし、角がグラグラするので、最良の方法ではありません。

 

    

A 若いときの話ですが、紙飛行機に夢中になっていた時期があります。このとき重りとして利用したのが、「割りピン」と呼ばれる文房具です。このことを思い出して、ホームセンターの文房具コーナーを探しました。あきらめていましたが、まだありました。
この割りピンの長さは2cmでしたから、5ミリ残して切り落としました。しかもこの品物は1枚の金属からできていますから、引き伸ばして広げることができます。このようにして、プレートの接続をしました。

3 活用方法

中学2年生数学、図形の教材です。平行四辺形のモデルとして利用しますが、平行四辺形の定義、平行四辺形の性質等に利用できます。長方形にするための条件を示すことはできますが、ひし形と正方形にする条件には無理があります。平行四辺形を板書するのは面倒ですが、この教材を掲示するのは簡単です。

抽象的な学問は、教材教具を見せるのが一番です。印象も残りますし、生徒も喜びます。アナログの良さです。