★★   個別指導の考察  ★★

最近は少人数指導・個に応じた指導と、基礎的・基本的事項の定着を図る指導に関する研究が多くなりました。それらが現在の主流を占めているようです。10年程前に個別指導についてまとめたものを掲載いたします。平成17年1月。

1 特色・長所

(1) 個人差に基づき、学習活動を補充したり深化することができる。
(2) 生徒一人一人の理解度やつまずきをを知り、適切な指導や助言が与えられる。
(3) 小集団の方が、生徒一人一人の個性を生かせる場面が多くなる。
(4) 小集団の方が、教師や友人に疑問点を質問しやすい。
(5) グループ学習の場合、友人と協力して作業や実験が可能となる。
(6) 自主的に学習できる生徒が多くなる。
(7) 学習に遅れがちな生徒も、意欲的に学習する。
(8) 時間制限がないので、じっくり考える生徒にはプラスになる。
(9) 一斉指導のときより内容の定着率がよく、学力が向上する。

 

2 欠点・批判

(1) グループ等の編成については、事前に指導しておかないと不安感や差別感を生じたりする。
(2) グループ等の雰囲気が安易な方向へ流れると、学習効果も期待できない。
(3) 一人の教師が一単位授業の中で、生徒の多様な課題に対応したり、評価することに無理が生ずる。
(4) オープンエンドの学習形態は、生徒の進度に大きな差を生ずる。
(5) 難易度の違うプリント等を準備するのに、多くの時間と労力が必要である。
(6) 教師の事前の準備や事後の処理に時間がかかる。
(7) 授業中も忙しくて、学習に遅れがちな生徒の指導が充分にできない。

 

3 習熟度別学級編制の反省

(1) 時間割が固定され、変更が困難である。
(2) 教科書以外の補助教材、クラス編制替えの資料等事務量が増える。
(3) 学級数が増えるので、多くの職員が必要となる。
(4) 教材準備、指導法の研究、結果の処理と評価などが増大する。
(5) 上位・中位・下位グループ別の教材研究の量が増大する。