★★ 個別指導を進める視点 ★★
1 個人差を多面的にとらえること
(1) | 生徒一人一人の個人内の能力や特性の質的な差異に注目して、個性としてとらえる。 |
(2) | テストだけを評価の中心としない。技能面にかたよる。 |
(3) | 達成度の差は、生活状況、興味関心、学習速度、意欲、学習スタイル、学習態度等も含めてとらえる。 |
2 生徒の実態を的確に把握すること
(1) | 学校や学級の傾向をとらえるだけでなく、生徒一人一人の学習状況を具体的にかつ客観的にとらえる。 |
(2) | 学習プリント、個人カード等、座席表の活用を図る。 |
(3) | 学習前や学習後だけでなく、授業中の生徒の学習状況を個別に観察する。 |
3 教師と生徒の間の好ましい人間関係を築くこと
(1) | 教師には、生徒一人一人の成長を願う人間的な愛情が必要である。 |
(2) | 生徒を認め励ますことを、個別化への手立てとする。 |
(3) | 教師は、尊敬と信頼と親しみのもてる存在となる。 |
4 学級の雰囲気づくりを工夫すること
(1) | 生徒同士が互いに他を認め合い、協力しあう温かく楽しい雰囲気を育てる。 |
(2) | 自分の考えや質問を気楽に発表できる雰囲気を育てる。 |
(3) | 事教科の指導だけに限らず、学級指導や道徳の指導などを含めた学級づくり、学級経営に力を注ぐ。 |
5 達成度に応じた学習目標を明確にすること
(1) | 学習個別化のための指導目標を具体化する。 |
(2) | 学習個別化のための指導目標を段階分けをする。 |
(3) | 生徒自身に自分の学習目標を明確にとらえさせる。 |
6 興味・関心や意欲を高める教材を工夫すること
(1) | 一斉授業の中で、興味・関心や意欲を高めるような学習の動機づけをおこなう。 |
(2) | 生徒が学習過程の中で、充実感や成就感を体得させることができるような教材を工夫する。 |
(3) | 多様な教材を準備し、生徒に選択学習をさせる。 |
7 グループ指導、個別指導の有機的な活用を図ること
(1) | 指導のねらいや内容に応じて、グループ指導や個別指導を適宜導入する。 |
(2) | 一斉指導との関連を密にし、グループ指導や個別指導等のいろいろな指導形態が有機的に機能しあうように配慮する。 |
8 生徒の活発な学習活動を促すこと
(1) | 主体的で能動的な学習活動を促すためには、実験や調査活動、操作的な活動、具体的な経験を通しての学習活動を取り入れる。 |
(2) | 教師が主導権をもつ説明中心の学習指導を反省する。 |
9 個々の生徒へ的確な働きかけをすること
(1) | 授業の中での発問、指示、説明等を適切に行う。 |
(2) | やる気を起こさせる指導助言や賞賛が、生徒に達成の喜びや満足感をもたらす。 |
(3) | 筋意欲や自信を失い、数学嫌いに陥るような教師の不用意な言葉を排除する。 |
10 指導に生かす評価の工夫をすること
(1) | 指導の効果を高めるような評価方法の工夫と改善は、個別指導を進める上で不可欠である。 |
(2) | (1)の例として形成的評価の導入や、到達度評価の採用、あるいは自己評価、情意面の評価などがある。 |
(3) | テスト結果で生徒一人一人の学習状況をきめ細かく把握し、次の学習へフィードバックできるよう工夫する。 |
この資料は、福森信夫氏の論文から引用しました。