★★ 項の考えを大切に ★★ 

中学校数学1年の学習では、負の数が導入されます。数の世界が拡張されますが、今回は項の考えについて考えを述べてみます。平成27年10月作成。

1 項の考えを育てる

中学校1年生は、新しく正負の数を学びます。この学習を通じて項の考えを知るのですが、その考えが育たない生徒がいます。

(+7)−(+8)+(−5)−(−9) を加法だけの式にすると、

(+7)+(−8)+(−5)+(+9) となります。

   )と( )をつなぐ+と−は、たす・ひくと読んでもかまいません。

しかし、( )の中の+7や−8は、プラス・マイナスと読まなければなりません。正負の数です。

加法だけの式にして、( )と+の記号を省略します。

そのとき残ったものが項になります。

この考えが育たないと、−3+5を−8としてしまいます。この場合、マイナス3タス5と読みます。

項は、独立して並んでいるだけです。−3 と +5 は自由に動くと考えるべきです。

この学習以降は、プラス・マイナスと読まなければなりません。文字式になっても同じです。

2 指導上の留意点

項の考えを育てるために、つぎのような方法があります。

加法だけの式にしたら、( )の中の正負の数だけををカードで示します。

(+7)+(−8)+(−5)+(+9)

+7  −8  −5  +9  を厚紙で作ります。裏にマグネットを貼ります。

項は自由に動くと考えられるから、並び変えることができます。

+7 +9 −8 −5 = 7+9−8−5

先頭に置いた+の記号は省略できることも指導します。

7−8−5+9  この式で+をたす、−をひくと読む生徒には指導する必要があります。

たすとひくは、演算記号です。

学習が進めば、並び変える必要はありません。暗算で計算できるようになります。