★★ 進級テストの紹介 ★★
1 3年間の数式指導
@ 生徒の計算力を高めるために、私たちは日々努力をしなければなりません。計算の技能は数と式領域ですが、関数・図形・確率・統計においても必要なものです。他の領域の学習をしていても、継続して指導したいものです。
そこで進級テストを実施してはいかがでしょうか。
A 計算内容は小学校の四則計算から、中学校3年生で学習する2次方程式までとします。学習内容を分析して、26の項目を設定しました。計算だけの問題ですから、数量関係を省いています。もちろん文章題も出題しません。
2 進級テストの実施方法
@ 全学年とも25問25点とします。テスト時間は25分程度としますが、上学年になるほど短縮できます。実施時期は教師側で判断し、一年間に数回実施すればよいでしょう。
A 問題数が少ないので、採点も早く済みます。採点をしているとき、類似した誤答に注意しなければなりません。生徒自ら誤った計算手順を身につけている場合があるからです。
3 進級テストの項目一覧
級 | 項 目 | 学年 | 級 | 項 目 | 学年 |
1級 | 計算法則 | 小学校 | 14級 | 式と数の積 | 1年生 |
2級 | 分数の性質 | 小学校 | 15級 | 式の加減 | 1年生 |
3級 | 分数の加減 | 小学校 | 16級 | 1次方程式 | 1年生 |
4級 | 分数の乗除 | 小学校 | 17級 | 単項式の乗除 | 2年生 |
5級 | 小数の四則 | 小学校 | 18級 | 多項式と単項式の乗除 | 2年生 |
6級 | 有理数の四則 | 小学校 | 19級 | 多項式の四則 | 2年生 |
7級 | 正負数の加減 | 1年生 | 20級 | 式の変形 | 2年生 |
8級 | 正負数の乗除 | 1年生 | 21級 | 連立方程式 | 2年生 |
9級 | 正負数の四則 | 1年生 | 22級 | 根号を含む式の乗除 | 3年生 |
10級 | 有理数の四則 | 1年生 | 23級 | 根号を含む式の加減 | 3年生 |
11級 | 文字式のきまり | 1年生 | 24級 | 多項式の乗法 | 3年生 |
12級 | 式の値 | 1年生 | 25級 | 因数分解 | 3年生 |
13級 | 同類項の和 | 1年生 | 26級 | 2次方程式 | 3年生 |
4 計算問題の出題範囲
@ 1年生 〜 1級から1次方程式の16級までとします。16項目までで25問作成ですから、一つの項目から2問出題することになります。
A 2年生 〜 1級から連立方程式の22級までとします。連立方程式の解法を考えると、2問は出題しなければなりません。1学期に進級テストを実施する場合、既習項目だけで問題を作成します。4月当初に実施すれば、実態をつかむことができます。
B 3年生 〜 1級から2次方程式の26級まですべてです。2次方程式の解法を考えると、2問は出題しなければなりません。1学期に進級テストを実施する場合、既習項目だけで問題を作成します。4月当初に実施すれば、実態をつかむことができます。
5 テスト実施後の指導
@ 4月当初での実施であれば、実態調査にもなります。正答率が低かった問題を数問、一斉指導します。個別学習をすることも可能です。しばらく保管していました。
A 私の場合、誤答分析表を作成していました。○×式の記録(SP表)ではなく、一人一人の誤答を直接記入しました。この分析表を作成すると、同じ誤答があることに気づきました。同じ計算の手順を考えて、同じ誤りをしていたのです。
B ノートに再度解かせます。類似問題を与えて、解けるようになったかを確認します。再テストをすれば効果もあります。できるだけ継続しなければなりません。
※ 数と式領域の計算は、基本的な事柄です。これが定着していなければ、次の学習が困難になります。計算は反復練習をしなければなりません。H27年6月。