アンケート回答・番外編 Part1  〜暗号解読のみち〜

”何がきっかけで始めたのか?””情報はどこから?””どうやって訳しているのか?” ”あえて載せない情報は?”等という「ぐがのみちアンケート」で受けた質問にお答えするつもりで書き始めた番外編。 書いているうちに長くなりまして、返答としてはかなり変則的になってしまいましたが、変則的なりにも何かの答えに はなるかな?と思っております。

今回は第1弾の名づけて”暗号解読のみち”。 ホントは第2弾の方がメインなんですけどね。。。


暗号解読の個人史・その第一歩

私を暗号解読の第1歩へ導いた人は、今や輝くハリウッドスターのメル・ギブソンである。そしてそのきっかけは オーストラリア映画の「マッド・マックス」。当時私は中学生。まだまだ素直な年代だったから、 思いっきりくら〜い英語の先生が大の苦手で、その先生の暗さにつられて英語も大の苦手だったのだが、「メル・ ギブソンに、”あなたは絶対に大スターになります!”ってファンレターを書くぞ!」と思った途端に、英語が一番の 重点科目となったのだ。(ついでに書くと、中学卒業時にクラスメート全員で書き綴ったメッセージノートには、 ”将来はメル・ギブソンのお嫁さんになる!”なんて書いてあったりする。私にもそんな年代があったのだなぁ。。。)

それでも今のメル・ギブソンが対象だったら、何も暗号解読に走る必要はないのだが、当時はオーストラリア 映画の情報なんて皆無に等しく、オーストラリア俳優である彼の情報も皆無に等しく、それこそシドニーの観光写真 をみつけては、劇場看板に名前が出ていないかと虫眼鏡で探すほど、情報に飢えていたおり、言葉の壁なんて なんのその!そこに情報があるならば何でもしましょう!という状況だったのだ。

結局、思いついても行動が伴わないのは生まれつきの私なので、ファンレターは幻に終わったのだが、それから 数年のうちにアメリカでも名が知られ、アメリカ映画への出演が相次ぎ、すっかり大スターとなっていく様子を リアルタイムで感じることができたのは感激であった。

難解ドイツ語には救いの手あり

そこに情報があるならば何でもしましょう!という状況は、82年の(サッカー)スペインW杯で西ドイツ選手の カール・ハインツ・フェルスターに胸ときめいた時も変わらず、当然ドイツ語の暗号解読の道へも進む運命と思われたのだが、 有難いことに、ドイツサッカーに詳しいある日本の方が”ブンデスリーガ・ファンクラブ”を設立し、試合結果や応援歌の 日本語訳やファンレターの書き方まで精力的に情報(不定期刊の冊子)を提供してくださったおかげで、ドイツ語の 長ったらしい単語や活用形と格闘せずに済んだのである。

その”ブンデスリーガ・ファンクラブ”の会長さんは、現在はドイツ語の翻訳もされているようで、テニス雑誌でも 時々その仕事ぶりを拝見することができる。もし他の人も探している情報だったら、一緒にシェア できればという思いが根づいたのも、この時の有難い思いがあったからこそ。いつかお礼の言葉を伝えられたらいいなぁ。。。

難解フランス語には単位取得という課題もあり

ドイツ語からは逃れられたがフランス語が待っていた。高校生のころからテニス観戦にも興味津々となり、試合結果を 追い求めるようになったものの、日本の新聞でカバーするのは大きな大会ばかり。ならば英字新聞なのだが、当時の 地方で英字新聞を手にとることができるのは大学の図書館くらいのもの。もちろんそんなことで諦めるはずはなく、 近くの大学の図書館に侵入してはせっせと結果を書き写していたのだが、結果を追ううちにフランス選手の動向と様子が とても気になるようになり、それが英語情報からは十分に得られないならば、フランス語情報に挑戦するしかない!というわけで、 大学の第2外国語はフランス語に決定。

フランス語の暗号解読はなかなか重宝で、ギ・フォルジェやカトリーヌ・タンヴィエ等のフランス・テニス選手情報は もちろん、オートバイトライアル競技の エディー・ルジャーンやサッカー選手ビンチェンツォ・シーフォ等のベルギー選手の情報もゲットできるという 特典が待っていた。しかし、ベルギーの言葉はフランス語だけではなく、オランダ語系のフラマン語という やつもあり、当然これが言葉の壁として目の前に立ちはだかるわけであ〜る。しかも当時の日本では「オランダ語- 日本語」の辞書は専門書としてしか存在せず、amazon.comもない時代では手に入るはずもない。

フラマン語にも負けないゾ!

しかし壁とは突破するものよ!学生時代の初の海外旅行でベルギー国内を2週間も歩き回り、各種スポーツ誌を 手に入れ、ついでにオランダにも遠征し、分厚い「オランダ語-英語」辞書もゲットした。かくして帰国した後に オランダ語の暗号解読もスタートしたわけでが、これはかなりの難事業で、日本のTVガイド風雑誌に 掲載されていたシーフォのインタビュー総7ページを解読するのに、実に1年以上の歳月を要したのである。

それがどうした?!と言われると、どうするわけでもなく、ひたすら自己満足の世界なのだが、かけた努力と その対象への思いいれは比例するもので、もうず〜っと応援するもんね!という忠誠心がしっかりと芽生えたので ある。それでも、情報を追いかけるのは現役時代までという線は引くようにしている。 引退という大きな決断をした選手は、ファンとしても”開放”してあげねばと思っているので。。。

私の3大観戦スポーツ

”観る”対象として大好きなスポーツは数々あれど、常に興味を掻き立てられる3本柱は、サッカーとテニスと モータースポーツである。小さなころからモトクロス観戦に連れていかれることが多かった私にとって、モーター スポーツは特に目新しいものではなかったのだが、大学生活の終盤になってモータースポーツの最高峰といわれる Formula-1のTV放送が開始されるや、一気にアイルトン・セナのファンとなる。

この頃になると日本語の情報も多く、英語情報を読むことにもあまり苦労はしなくなったのだが、英語とは数多い言語の ひとつでしかなく、その英語で表現される情報も数多い情報の一部でしかないということを強く認識したのもこの 時期である。それならばセナの母国であるブラジルの情報が欲しいところだったが、当時ではまだ無理な話。ならば フェラーリのお膝元でモータースポーツにかける愛情はひときわ高いイタリアに頼ることにした。

かくして、”ご機嫌いかが?”も言えないくせに、ドライブシャフトやカムカバーの意味はわかるという、とても 変則的なイタリア語体験が始まったわけである。

ますます偏よる語彙

ドイブシャフトやカムカバーに続き、十字靭帯やら球状関節なんてイタリア語を覚えたのは、激しい接触で故障も多い サッカー情報のせい。特に現在A.C.ミラン所属のフィリッポ・インザーギ選手が好きになってからは、カルチョ(サッカー) 用語の方がどんどん増えていった。

余談だが、私が最初に凄いと思ったサッカー選手はあるブラジルのゴール・キーパー、その次がディフェンダーである ストッパーの選手、そしてゲームメーカーと呼ばれる中盤の選手に興味を持つようになり、最後になってストライカーに 目が向いたのだ。普通はこの逆で、一般的に派手にアピールする攻撃の選手に興味を持って、競技自体に対する関心が 増すごとに守備型選手にも興味が増すというパターンらしいのだが。。。何ごとも変則的になってしまうのだなぁ、 私の場合。

カルチョにひかれて実際に旅する機会も多くなったイタリア。そして何事も”書いて貼ってある”ということが なく、何事も訊いてみなければ始まらないイタリアゆえに、 現在はカタコトの旅行会話程度はできるようになったのだが、もしスポーツ観戦のためにイタリアに行くという方が いらっしゃったら、イタリア語の挨拶や数の数え方に加えて、曜日をしっかりと覚えていくことをお薦めする。試合の チケットや列車を予約するにも、日付よりも”来週の水曜日の”というように、曜日で指定する方が断然スムーズに 話が通じるので。。。

ネット時代の申し子?! グガ登場

ようやく主役の登場!です。グガが登場した'97年以降はまさにインターネット発展の時期で、ひと昔だったら 考えられないほど多量の情報が様々な言語で手に入れることができるようになった。日本からは一番遠い国で あるグガの母国のブラジル情報も、瞬時に手に入る時代となり、何て凄いことなんだろう!と思う。

私にとってポルトガル語は、セナ関係でトライした経緯はあるものの、グガ関係で始めた新しい言語。フランス語や イタリア語をかじっていたことで、ある程度の簡単な基本文型はわかるし、長年の暗号解読暦で培われた高速辞書引きの術で 単語の意味を掴むこともできるし、かれこれ6年近くも毎日ポルトガル語記事チェックをしているわけだから、 長文解読の要領もわかってきたとはいえる。しかし、本当の意味がわかっているかの自信はないし、言葉の ニュアンスにいたってはお手上げ状態。そして、読んでくれるのは特定少数とはいえ、HPという場で公開している わけだから、何かしら情報をアップする度に、おおいに悩むのである。。。

ひとつの例だが、故障〜手術〜復帰という厳しい期間をどうやって乗り切っていくのか?という 質問に対しグガが答えたなかに、直訳すれば「悲しみと苦しみは、幸せと喜びで包んで持っていく。」という言葉が あった。ひとつひとつの単語の意味は合っていると思うし、”悲しみと苦しみを忘れる”ではなく、”包んで持っていく” という表現は私の心におおいに響いたので、是非紹介したいと思ったのだが、わからないのはニュアンスなのである。

例えば、日本語の”掘り出し物”という言葉をきいて、”地面を掘りだしてようやく手にしたもの”というイメージを 抱く日本人はほとんどいないだろう。”掘り出し物”という言葉ですでに意味が確立しており、”掘る”という単語 自体にほとんど意味はないはずだ。

グガの言葉の場合も、もしかしたら”包むんで持っていく”という単語自体に大きな意味はなく、ごく普通に”忘れる” というイメージなのかもしれないと思うと、う〜んと悩んでしまうのである。

悩みのハナシはPart2につづく・・・

悩む話は他にも一杯。特に情報が溢れる時代になったからこその悩みは多く、とてもこのページに収まりそうもないので、 Part2の”ガゼネタから逃れる術”に続きます!まぁ、悩むからこそおもしろいとも言えるわけだけど。。。

最後にPart1の結論・・・

英語だ、フランス語だ、イタリア語だ、フラマン語だ、ポルトガル語だ・・・という話をしたわけだが、これは あくまでも”解読”の世界。内容がわかることが唯一の目的であるゆえに、意味がわかればそれで満足、よって 未だに”〜語がわかります”というレベルには程遠いのだ。

ポルトガル語の記事をざっと読んでざっと意味がわかっても、いざポルトガル語で書け!といわれても、全然書けない ということ。これは、スーパーマーケットの野菜売り場に行き、”おっ、 今日はキャベツが安い!”とすぐわかるのに、改めて”今はキャペツはいくらぐらいするの?”ときかれても、 はて?となってしまうのと同じである・・・のかな??


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