Gustavo "Guga" Kuerten/ぐがのみち
2000 Vol-6
マスターズシリーズ・トロント大会から、ハードコート初優勝を飾った
インディアナポリスまで、北米ハードコートシリーズをレポート。(デ杯準決勝の模様は
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やっぱり歌う ...
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インディアナポリスで優勝した日曜の夜は、カルロス・サンタナの野外コンサートにお出かけ。
もちろん、ただの観客で終わるはずもなく、”テニスチャンピオン、グスタボ・クエルテン!”
と紹介を受けながらステージに登場、観客からの喝采を浴びたそうだ。そして、もちろん、そのまま
ステージから降りるはずもなく、サンタナのギターをバックにパソスさんと共に熱唱。「すごく
光栄だよ。忘れられないね。」とご満悦だったそうな。
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”GUGA and Friends for APAE”は継続中だが、それと平行して、”Instituto Guga Kuerten”の
設立を発表。この協会の主な目的はふたつで、ひとつは、スポーツプログラムを開発・提供し、その
スポーツ活動を通じて子供達を喚起し、犯罪等の誘惑から守ること。そして、ふたつめが、
ハンディキャップ持った人達のためのプログラムである。この協会の活動をリードするのは
ソーシャルワーカーでグガのお母さんでもあるアリスさん。「まだ準備は何も整っていないけれど、とにかく早く
立ち上げたかった。援助とケアを必要としている人はたくさんいますからね。」グガ本人も、
もちろん、マネージメントのひとりとして活動していく予定。「全てが始まったばかり。でも活動が
現実のものとして始まったら、夢が実現するよ。」
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”シドニーオリンピック・ブラジル選手団の旗手としては誰がふさわしいか?”という Globo.com
のリサーチで、クエルテンが56%の支持で断然トップだったそうだ。背も高いし、なかなか似合うの
ではないかな。
(同じ南米のエクアドルでは、友人のラペンティが最有力候補になっているらしい。)
RCAチャンピオンシップス (インディアナポリス)
Aug14〜Aug20
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昨年に続き2度目の参戦となるインディアナポリス。第1シードが付き1回戦は不戦勝。
16日(水)に予定される2回戦の
相手は、トッド・ウッドブリッジ(オーストラリア)/ヤン・シーメリンク(オランダ)の勝者。
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14日付けの「エントリーシステム(従来の52週総計のランキング)」で2位へ上昇。これはグガに
とっての最高ランクだ。本人は「チャンピオンズレース」よりも重要視していただけに、更に気合いも
入るか?
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今回もワイルドカードを貰ってのダブルス参戦。パートナーはシンシナティの準決勝でも応援してくれた
ハレル・レヴィー(イスラエル)。
- 先週のシンシナティの記者会見で、
”近くの遊園地に人工波でサーフィンができるところがあるよ”と知らされ、「行ってみるよ。」と
答えていたのだが、その言葉どおり、インディアナポリス入りする前に、しっかりと遊園地巡りを
楽しんだらしい。一緒に行ったパソスさんは、”空を飛んで楽しんだ”そうだが、空飛ぶ絶叫
マシーンとはなんぞや?
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サッカーW杯南米予選で、ブラジルがチリに歴史的敗戦を喫してしまい、ブラジルマスコミは
大騒ぎ。きっとグガ君もガッカリしていることでしょう。こんな時こそ、テニスの話題で暗雲を吹き
飛ばして紙面を奪わなきゃね。まずは、レヴィーと組んだダブルスで初戦突破。シングルスの方は
ウッドブリッジと対戦だ。これまでの対戦成績は2勝0敗。
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夜もかなり更けて始まったウッドブリッジ戦は、第1セットを5−7で奪われピンチ。しかし、
「ゲームは失っても、気持ちは失わなかった」というポジティブな姿勢で”波”をとらえ、
その後のセットを6−4,6−1で連取し、しっかりと勝ち抜けた。シンシナティの2回戦同様に、
深夜のゲームでお疲れのところだが、ここでも次のゲームはすぐにやってくる。相手はアメリカ
期待の19歳、テイラー・デント。
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先週こしらえてしまった指のマメは、やはりまだ痛いらしく、この日もトレーナーさんのお世話に。
「バンデージをはずしてやっていたら痛くなっちゃって。次からはずっと巻いておくよ。」
...とか言いながら、イライラすると引きちぎっちゃうんじゃ?
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若いデントからの挑戦を6−2,7−6(7-4)で退けて、準々決勝進出。第2セットは抵抗されたが、
タイブレークを獲って締めくくることができたのは収穫。
「彼はとても良いプレーヤー。だから、勝てただけで嬉しいよ。」という余裕の発言も出た。準決勝
をかける次の相手は、最近好調のウェイン・フェレイラ(南ア)。対戦成績は4勝1敗。
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シングルスで勝った後、ナイトセッションでダブルスのゲームに臨む予定だったが、インディアナ
ポリスは強い雨風。パートナーのレヴィーと一緒に、TVをみたり、卓球をしたりして、のんびりと?
試合開始を待ったが、結局、翌日に順延された。
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パソス・コーチもグガ本人も警戒していたフェレイラ戦だが、6−3,6−3で順調な勝ちあがり。
これで対フェレイラ戦績は1敗の後に5連勝である。(最初の1敗が、グランドスラム・デビューの
96年ローランギャロスというのがちょっとおもしろいが。)準決勝の相手は、ようやく初対戦の
レイトン・ヒューイット(オーストラリア)、そして、もう一組の対戦がティム・ヘンマン(英)対
マラト・サフィン(ロシア)である。もう、インディアナポリス市民が羨ましくなるほどの
”観たい!”準決勝だ。
- フェレイラ戦の直後に予定され、
「パートナーに僕の分まで走ってもらうよ。」と冗談を飛ばしていたダブルスだが、
残念ながら、
マイケル・ヒル(オーストラリア)/ネビル・ゴッドウィン(南ア)組に7−6(7-3),4−6,
4−6で敗退。しかし、レヴィーとのペアはなかなか良いのではないかな。USオープンでは
シングルスに専念するだろうが、インドアシーズンでまた挑戦してほしいな。
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現地時間の12時に始まった準決勝のヒューイット戦。ライブスコアを開いていたのだが、サービス
ダウンから1−4..2−5..と表示された時は、更新画面をみるのもためらいがち。「彼
(ヒューイット)は初めからすごく良かったけど、僕はこんな朝早くに(12時だぞ!)プレー
するのは苦手なんだ。」というのは冗談にしても、初対戦ということで、序盤はなかなかペースがつかめ
なかったようだ。しかし、そこから取る取る!結局、5ゲーム連取で第1セットを7−5で奪取すると、
第2セットも中盤からスパートをかけて6−2でとり、今シーズン6度目の決勝進出を果たした。
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決勝の相手はマラト・サフィン。対戦成績は全てフルセットの1勝3敗。しかも、舞台は
グランドスラムかマスターズシリーズ(以前はスーパー9)。
今季はぐっと落ち着いたといわれる彼だが、以前から、クエルテン相手の
試合では、どこか敬意が感じられ、ずっと落ち着いてプレーしていたような印象を受ける。サフィンが
注目されたのは98年のローランギャロスだが、それより以前の大会で、「あまり知り合いも
いなくてウロウロしていたら、クエルテンが一緒に練習しようと誘ってくれた。」そうで、シンプルな
気質とお見受けするサフィンだけに、そのあたりが理由かも。
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優勝!!!!(今季4勝目を祝ってビックリマーク4つ進呈)そして、もちろんハードコート
トーナメント初優勝だ。サフィンを相手に戦った決勝戦のスコアは、3−6,7−6(7-2),
7−6(7-2)。予想通りフルセットにもつれた試合を、2回のタイブレークを制して勝ち取った
喜びは、「初めてのハードコートタイトルを獲得できてとても幸せだ。でも、まだ実感がわかないよ。
夢じゃなきゃいいけど。」というストレートな感情表現からも伝わってくる。
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”ゴールを設定して、それに向かって突き進むタイプではない”と言いながらも、「グランドスラム
タイトル、デ杯、ハードコートのタイトル、オリンピック」という今年の重点目標を着々と
クリアーし、(デ杯は準決勝で破れてしまったが、十分な成績だろう。)残るはオリンピックだけ。
もちろん、USオープンという大物も控えているが、これはもう、狙ってみるのもよし、リラックス
して臨むもよし、好きなようにやっておくれ。
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一方、今回決勝で破れたサフィンは、自分のミスを悔やむことしきり。特に第2セットのタイブレーク
では連続してエラーが出たようだが、「僕の人生で初めて、彼に対し2セットアップで勝てたはず
なのに!」というコメントは、真剣なんだけど、同時に、妙におかしい。君の人生はまだまだ長いよ。
マスターズシリーズ・シンシナティ
Aug7〜Aug13
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初戦の相手はジェローム・ゴルマール(フランス)に決定。チャレンジャーを含む対戦成績は
4勝2敗。ワイルドカードを貰っての参戦となるダブルスのパートナーは、クリス・
ウッドラフ(アメリカ)。
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1回戦は現地時間13時にセンターコートで行われる予定。4日(金)にシンシナティ入りして以来、
精力的に練習試合をこなしていたようだが、6日(日)は、レフトハンダーのゴルマール対策として、
若武者ヴィンシゲラと練習。
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ゴルマール戦は50分足らずの試合時間、6−0,6−4のスコアで一蹴。”スタートが決め手”
と本人が語るように、第1ゲームでいきなりブレークを果たし、一気に押し込んだようだ。「彼
(ゴルマール)には、いかなる希望も与えなくなかった。」という珍しくクールなコメントは、
いくつかの新聞社系サイトで見出しになっていたが、「先週(トロント)の疲れもあったみたい
だね。」と語る気遣いも...。
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”ヨーロッパにおけるほど認識されていない”といわれるアメリカでの大会に、「チャンピオンズ
レース2000」のリーダーとして出場したことで、記者達の質問もここに集中しがちだが、本人は
相変わらず重要視していないようだ。−−−
”(チャンピオンズレース)のリーダーとして目覚める朝は、どこか違うものかな?”という質問にも、
「毎朝目覚めるごとに違ってるけど...。歳もとるし。」と、あっけらかん。
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”歳”といえば...2回戦の相手は、ワイルドカード出場のアンディ・ロディック(アメリカ)と
ジャンルカ・ポッツィ(イタリア)の勝者となるが、実に、この対戦は”17歳対35歳”という異世代
対決である。もし17歳とあたることになれば、あと1ヶ月でようやく24歳という若造グガと
いえども、ちょっとは歳も感じるのかな。
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異世代対決は、18年の人生経験の差をみせつけた(かどうかは知らないが)ポッツィに軍配。
そのポッツィ戦の展望としては−−−
「ポッツィとあたる時は、辛抱強く、そして冷静にプレーしなければならない。彼はクレバーな
テニスをするし、なかなかミスしてくれないからね。」
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ウッドラフと組んだダブルスでも2回戦進出。こちらの対戦相手は、全豪チャンプのE・フェレイラ
(南ア)/R・リーチ(アメリカ)組。
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ポッツィ戦のグガの戦いぶりには、パソス・コーチも満足の様子で、「よく辛抱したし、冷静だったし、
戦略的にも上手かったよ。ポッツィとのゲームはチェスのゲームと同じだからね。」「今日の出来を
いかして、是非、マイアミ(エリクソン・オープン)の再現といきたい。」
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足掛け2日がかりの2回戦だったが、次の試合は容赦なくやってくる。対戦相手はシュテファン・
コーベック(オーストリア)。
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3回戦のコーベック戦。第1セットは、コーベックの
出来の良さに初対戦の戸惑いも加わって一気に奪取されてしまったが、春先のクレーコートでみせた
しぶとさをハードコートでも再現し、1−6,6−1,6−2の見事なウェルカムバックで
昨年に続き準々決勝進出だ。苦戦したのは事実だけど、なかなかいい感じの勝ちあがり。準々決勝で
あたるトッド・マーティン(アメリカ)はハードコートでは特に強敵だが、このあたりにしっかり
勝たないと、今年の重点目標のひとつである”ハードコートのタイトル”はやってこないぞ。
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コーベック戦では、第2セット第3ゲームにおけるフットフォールトを巡るゴタゴタで警告をくらって
しまい、怒り心頭だったらしいが、そこから怒りをエネルギーに変えての逆転劇。なんだか一時の
マッケンローみたいだなあ。最近は、判定を巡るトラブルが多いのが気になるが、
1ポイントに対する執着心が増したともいえるかな。
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”速いコートではより攻撃的に”というのは常識となっているが、3回戦の第1セットでは、
少し性急すぎたと感じたようで、「ちょっとスローダウンして、少し下がってサーブを受けるように
したら、上手くリターンできるようになった。」そうだ。下がって上手く行くというケースは
珍しいと思うのだが、これができるから、多くの人が指摘するような”常に攻めて!”とはいかない、
又は、いけないのかもしれないな...。球種の選択肢が多いと、使いこなすのが難しくなるもの
だが、最後には絶対に強みになるはず。それを信じて、自分なりのハードコート仕様を作り上げて
いってほしい。
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準々決勝のマーティン戦は、日本時間の夜中の2時から生中継。ハードコートの3セットマッチとは
思えない長さで、疲れた! だけど、よかった!頼みのサーブが頼りなくてやきもきしたけれど、
やはりしぶとさは本物だ。スコアは6−7(0-7),6−3,7−6(7-5)。
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前々から誰か訊いてくれないかと思っていたのだが、今回の試合後のインタビューで、ようやく
タイブレークの勝率についての質問が出た。当然ながら、歩が悪いことは常に頭に
あるそうだ。「2つ3つ続けて勝つようになったら、次も勝てると思えるけど、3つ4つ続けて
負けるようだと、良い方向に考えるのは難しい。」というわけで、とにかく実際に勝っていくしか
ないというところだろうが、”タイブレーク仕様”を考えてみてもよいのでは?
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”スリルや幸福感をそのまま伝えることができるクエルテン”のはずだが、今日は、”スリルや
痛さ”が伝わってきちゃった。たかがマメ(右手薬指)とはいえ染みるんだろうなあ...。
(トレーナーとのやりとりでは、「いきなりできちゃった。」と語っていたので、確率が悪かった
サーブの調整を試みているうちに、へんな負荷でもかかったか?)
そのかわり、パソスさんの”喜びの舞”から幸福感は十分伝わってきたけれど。
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先週のトロントで注目されたレヴィーが、パソスさんの後ろでしっかり応援。いいコだ。
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準決勝のヘンマン戦は、7−6(13-11),4−6,6−7(0-7)の惜敗。結果はとても残念だが、
この試合では、
クラシックなサーブ&ボレーを得意とするヘンマンに対し、どんな”策”をみせてくれる
かを楽しみにしていたので、その意味ではなかなか満足できる試合だった。最近はパワーヒッターが
目立つなかで、攻撃のタイプは異なるものの、どちらかというと”技巧派”に
入る2人だけに、パソス・コーチが言うところの”チェスのゲーム”のように、全ての攻防に
きちんとした意図が感じられて楽しかった。欲をいえば、最後のタイブレークで
もっと抵抗してくれたら更に良かったのだが、午前中の練習時には、薬指の痛みでしっかりと打てず、
棄権も考えていたということなので、これで良しとすべきかな。
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準々決勝であたったマーティンからは、(初対戦の)3年前から良くなった点として、リターンを
あげられていたが、ヘンマン戦では、結局、1度もブレークすることはできなかった。たまには
もっと前で捕らえてみても?とも思うが、後方からの沈むリターンには相当のこだわりがあるよう
だなあ。
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もしデータがあるならみてみたいのだが、”試合中にトレーナーを呼ぶ回数”では、間違いなく
トップ争いをしているのではなかろうか?準決勝でも、第2セット途中で薬指をケアしてもらっていたが、
自分のサーブを落とした直後だけにご機嫌も悪く、「もっと早く(治療のために)止めれば良かったんだ。
そうしたら落とさなかったのに!いつもバカばっかりなんだから...。」とブツブツ。そんなことを
グチっても仕方ないのだが、献身的なトレーナーさんは、優しく受けとめるのであった...。
毎度毎度こき使っちゃってスミマセンねえ。
おまけ話
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アップセットの連続となったトロントだが、決勝は、マラト・サフィン(ロシア)対ハレル・レヴィー
(イスラエル)という新鮮な顔合わせに。サフィンは既にお馴染みだが、マンスドルフ以来の
イスラエル選手という感のあるレヴィーは、予選からの勝ち上がりである。実は、Vol-1に
グガの年末年始合宿の様子を書いたのだが、そこにある”イスラエルの若手選手”というのが
彼(と他2名のデ杯選手)である。なんでも、7年も前から、パソス・コーチが目をかけていた
らしい。GAORAの解説でも”バックハンドがクエルテン似”といわれていたが、どちらかというと
コレチャのバックハンドに似ているような気も。
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一方のサフィンは、春のクレーシーズン中に、チェスノコフのコーチを受けるようになったかと
思えば、ローランギャロス後には(エドバーグのコーチとして有名な)ピッカードさんのもとに。
その後、決裂の話はきかなかったが、今回はボルコフ氏が面倒をみているようだ。”ロシアン・
ロケット”のリモートコントールはなかなか難しそうだが、その分、だんだんと自己管制が
きいているようでもある。なんといってもサンプラスを破ったわけだし。
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楽しみな決勝は、結局、サフィンがマスターズシリーズ初優勝を飾ったわけだが、表彰式では、
両名ともフレッシュ且つユーモアたっぷりのスピーチを披露してくれた。あまり強敵になって
もらっても困るのだが(ゴメン!)、今後の活躍が楽しみだ。
マスターズシリーズ・カナダ(トロント)
Jul31〜Aug6
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28日(金)夜にトロント着。週末は、会場となるヨーク大学コートで、アラジやスクーラリーら
レフトハンダーを
相手に練習を行った模様。「1ヶ月もグラスコートでプレーしていたから、(ハードコートが)クレー
みたいに感じるよ。」−−−それはいいことだが、故障の方は大丈夫なのかな?
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初戦の相手は、アルノー・ディパスクァーレ(フランス)。初対戦だけに、しっかりと押さえていき
たい。
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久しぶりにダブルスにも参戦。パートナーはマグナス・ノーマン!「彼(ノーマン)がダブルス
もやりたがっていて、主催者側が一緒にやれば?と持ちかけてきたから、OKしたよ。」というわけ
で、チャンピオンズレース2000のトップ2ペアが誕生だ。こちらの対戦相手は、イーグル・
フローレント組(オーストラリア)。
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ディパスクァーレ戦は、第1・第2セットともに、早々と相手のサーブをブレークしながら
追い上げられるという展開となったが、ともに最後はきちんと締め、6−4,6−4で2回戦
進出(実は1ヶ月ぶりの白星)。水曜日に予定される2回戦の相手は、ファブリス・サントロ(フランス)/セバスチャン・
ラルー(カナダ)の勝者。
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やっぱり、髪型は元のモップ頭に戻っているよう。ドレッドロックって、編み上げるのも
大変だが、ほどくのもまた面倒くさそう。
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2回戦のセバスチャン・ラルー(カナダ)戦は、1回戦同様に先行しながら追いつかれ、そして
今回は最後を締めることができず、6−7(4-7),4−6で金星を提供。「デ杯の後休養をとって、
あまり試合をこなしていないし、まだ自分のリズムを掴めていない。」しかし、1回戦で敗退した
マグナス・ノーマンの言葉を借りれば”まだ夏は長いよ”というわけで、これからUSオープンへ向けて
十分に準備するとのこと。はい、ちゃんと準備して下さいよ。
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ナイトセッションで行われたノーマンと組んだダブルスも、6−4,6−7(5-7),
6−7(4-7),試合時間2時間45分で惜敗。残念!ダブルス参戦には、あまり積極的ではないものの、
誰と組んでも一級品のプレーをみせるだけに、もっと出場してほしいもの。
英語...セクシー...浪花節...
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カナディアン・オープンの戦績。初出場の97年は、腹筋痛ほか諸々の故障があったなか健闘し
準優勝(優勝は今年のウィンブルドン1回戦であたったウッドラフ)。98年は初戦敗退の後、
疲労を訴え戦線離脱(その後、USオープン直前に復帰)。昨年は、既に戦線
離脱中...というわけで、毎年故障や疲労がらみで穏やかでない時期に行われるトーナメントだが、
今年はいかに??
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トロントの後は、アメリカの大会が続くが、アメリカでの人気はどんなものなんだろう??と思って
いたところ、スポーツ・イラストレイティッド誌のコラムにおもしろい話を発見。いわく、
「素晴らしいプレイヤーで、若くて、ハンサムで(と書いてあったのだ)、ウェアーから
ヘアースタイルまで個性豊かで、コート上でもエモーショナル...こんな選手だったら、もっと
人気が爆発してもいいのではないか?」
それを妨げている要因のひとつとして、”上手くない英語を堂々と話すこと”が取り上げられて
いたのがおかしかったのだが、上手くない英語をオドオドと話す人間から言わせてもらうと、そこが
おもしろいんだけどね。文法的に正しくなくとも、言いたいことはわかるし、母国語だと気づきにくい
言葉遊びをみせる茶目っ気もあるし。
そのコラムニストは、グガと直接インタビューを行ったことがあるそうで、とても感じが良く、
懸命に答えてくれたのにもかかわらず、その会話が時として言葉の壁により遮られることを
痛切に感じたそうだ。ポルトガル語による会見で、しばしばブラジルの記者達を爆笑させている
様子をみると、余計にもどかしさを感じるらしい。
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”マーケティング”という観点からみると、クエルテンのお父さんや弟さんの話は”惹きつける”要素
らしいが、そこには余計な作為を介入させないだろうし、浪花節的なエピソードで売り出せるほど
単純なキャラクターとも思えない
。決してドライではないが、ジメジメしたところはない。驚異的な執着心をみせたかと思うと、
全く無頓着な一面もみせる。癇癪を爆発させるときもあれば、誰よりも冷静だったりする。
そのキャラクターにミステリアスな面は微塵も感じないのだが、いざ表現しようとすると、これほど
掴みにくい存在もない。自分がマーケティング担当にでもなったら、そのまんまプレー
させて、全くいじらないだろうな。きっと、それが一番の”売り”になると思うから。
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ここまで書いたところで、昨年のUSオープンにおける問答を思い出してしまった。記者会見では、
スポンサーのロゴが入ったシャツと帽子を身につけるわけだが、それに対し次のような質問が出た。
「君はとてもシンプルで物静かな人間だと思うけれど、そうしていると、自分が商品(=売り物)に
なったような気がしないか?」−−−ちょっと意地悪な質問だと思ったのだが、「僕が商品だったら、
売るのが難しいでしょうね。」と笑わせた後、「スポンサーとはもう長いつき合いだし、担当の
人々とはしっかりとした関係を築いている。彼らは僕のキャリアが始まった頃からサポートして
くれた。だから、僕も彼らのためにできることをやる。お金をもらったから、ロゴをつけるという
だけの関係ではないんだよ。」だから、「そんな気にはならないね。」という完璧な回答。これだけ
とっさに答えられるんだから、英語の方も捨てたもんじゃないと思うぞ。
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