Gustavo "Guga" Kuerten/ぐがのみち
2001 Vol-10
Vol-10は、厳しい結果となったインドア・カーペットシリーズのリヨン
〜マスターズ・シリーズ・パリ。しかしこの経験もいつかいきるさ。
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Vol-9
七転び八起き・心機一転・幸せは歩いてこない、
だから歩いていくのだ Nov 4 〜 Nov 11
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マスターズシリーズ・パリの後、11/4(日)にパリを出発。途中バンコクを経由し、11/6(火)に
シドニーに到着した。なにしろ地球半周の旅だけに、総所要時間は30時間。おまけにオーストラリア
入国手続きに1時間を要し、「なんでもっとスンナリいかないのかな?!」と、おかんむりだったとか。
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シドニーへは、もちろんパソス・コーチも一緒。これで今季も、全戦フルタイム・コーチ同伴
となり、”コート上の親離れ”は当分お預けだ。
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昨年のマスターズ・カップは、クエルテンの”南米選手初の年度末No1”で幕を閉じたが、今季の
年度末No1に可能性を残すのは、クエルテン、ヒューイット、アガシの3選手。ヒューイットの
場合は”最年少年度末No1”、アガシの場合は”最年長年度末No1”となるらしく、それに比べると
今季のグガは”売り”に欠けるが、それなら、”南米選手初の2年連続年度末No1”でどうだ?!
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今回から、ようやくニューウェアーが登場らしい。”軽く・乾きやすく・UVカット効果
あり”のDiadora自慢の新素材ウェアーで、来年のローランギャロスまで活躍の予定。
マスターズシリーズ・パリ
Oct 29 〜 Nov 4
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マスターズシリーズもいよいよ第9戦。マスターズカップに出場しない選手にとっては、2001年
シーズンの締めくくりである。第1シードのグガは1回戦はBye。2回戦の相手は、ボーダン・
ウリラッハ(チェコ)と予選通過選手の勝者となるが、対戦相手がどうこうという状況では
ないだろう。しっかりやるのみ。
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26日(金)に会場入りしてからは、友人のエスクーデ、ドイツ勢のブルグスミューラー&ハース
らと練習。コーチのパソスさんは、練習を課す一方で、しっかりと話をしているというが、こういう
時に、パソスさんがどのような”指導”をしているのか、とても興味あるなあ。(日本なら、とっくの
昔に”私はこうして〜を育て上げた”なんて本が出ているだろうけれど。)
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今回は、前週のバーゼルで敗れたブッテーと組んでダブルスにも出場。いろんな選手と組むもんだ。
こちらの初戦の相手はブライアン兄弟(USA)。
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”コンビネーション保証付き””姿形も揃ったペア”のブライアン兄弟に対し、
”練習した?の疑問付き””身長は揃ってるど10Kgの体重差ペア”のクエルテン/ブッテー組だったが、
結果は7−6(7-5)・4−6・6−3で勝っちゃった。きっと、たくさんの声援に後押しされたに
違いない。次の対戦相手は、今年のUSオープンチャンピオン、ブラック弟/ウリエット(ジンバブエ)
組。
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今回のダブルスパートナー・ブッテーが語るペア結成のいきさつ−−−「ちょっと変わってるん
だけど、バーゼルで対戦した後、食事に出たら一緒になったんだ。そこでディナーを食べながら
話をしていたら、二人ともベルシー(=今大会開催地)のダブルスにワイルドカードを申請している
ことがわかって、じゃあ”一緒にプレーしようか””OK”という感じになって、主催側に問い合
わせてみたら、出場を認めてくれたんだ。」−−−ふむ、主催者側に勝手にくっつけられた余った者
同士ペアだと思っていたのだが、ちゃんと自ら組んでいたのか。しかし、4大会連続初戦敗退を
喫したその当日に、当の対戦相手とペアを組んじゃおうという気になるところが、いかにも”らしい”
なあ。
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ついでに、ブッテーが語る試合当日の様子−−−「まるで”サンバ”だったね。僕はベルシーとここの
コートにあまり馴染みがないんだけど、あんな雰囲気のサイドコートでプレーするのは素晴らし
かった。でも、かなりヘンだったよ。友達にも電話で話したんだけど、彼(グガ)が水を飲んだり、
バナナを食べたりしている時に、僕は何も飲まず、何も食べず、彼をじっと見てたんだ。」
「そうしているうちに、彼は僕の腕をつかんで食べようとした。あ、もちろん冗談でだよ。彼は本当に
クールで楽しいヤツだね。そして本物のチャンピオンなんだよ。」
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この日の午前中には、”チャンピョンズレース2001”でグガを追うヒューイットと一緒に練習し、
これが報道陣の好奇心を多いにくすぐったようだ。ヒューイットの会見では、「世界No1とNo2が
一緒に練習しているのをみるのは”shocking”だが...」などと発言する記者もあったが、
そんな過剰な興味自体が、本人達には摩訶不思議だった様子。
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ダブルス2回戦は、2−6・7−6(7-5)・4−6で敗れてしまったが、グランドスラムタイトル
保持ペアに対する即席ペアとしては大健闘である。ふたりともシングルスの試合が続くだけに、
今回はこのあたりで上々。また、どこかの大会で組んでほしいが、リヨンで組んだ
アラジとのペアもおもしろそうだし、レビィーとのコンビも楽しそうだし、withラペンティも
是非!
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各フィールドで業績を残した団体、個人、地域等を称え表彰を行っているUNESCOが、2001年の
”Youth and Citizenship”部門でクエルテンを選出した。
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シェン・シャルケン(オランダ)が相手の3回戦は、6−4・4−6・4−6の逆転で敗れ、
対シャルケン戦8戦目で初の黒星となった。シャルケンにとっては、自分は7連勝中の絶好調期、
相手は大低調期ということで、ここで勝たずして!という意気込みだっただろう。グガ側にとっては
残念な結果だが、試合後の握手シーンがとても良い雰囲気だったのが救いだ。
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1週間をおいて、11/12からはマスターズ・カップ(シドニー)。パリ3回戦後の記者会見では、
「全てのトーナメントが屋外だったらいいのに。」なんて語っていたが、マスターズ・カップの
場合は、メインコート1面で行われるから窮屈さは感じないだろうし、外に出れば初夏のいい季節だ。
大会スタート前には、ビーチでリラックスの計画も立てているようなので、初夏男のノリでいって
ほしいもの。
スイス・インドア (バーゼル)
Oct 22 〜 Oct 28
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19日(金)に、ドイツ・シュツットガルトからスイス・バーゼルへ。といっても、わずか
200Km足らずの距離だから、国内移動の感覚で移動できたのではないだろうか。初出場を予定
していた99年には右腕の痛みを理由に欠場したため、今回がバーゼル初登場となる。
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ドローが決定。グガの初戦の相手はジュリアン・ブッテー(フランス)。そこを通過
したら、アンドレイ・パベル(ルーマニア)とイヴァン・リュビッチ(クロアチア)の
勝者...。
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対ブッテー戦は、6−7(3-7)・2−6で敗れ、これでキャリア初の4大会連続
初戦敗退。こりゃ、大変!だが、”試練はそれに耐え得る者のみに与えられる”とも
言うしなぁ。ここは、しっかり悩んで、大きくなってください。こちらは、引き続き
じっと吉報を待つ。
2002デ杯ドロー決定
Oct 18
マスターズシリーズ・シュツットガルト
Oct 15 〜 Oct 21
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前週のリヨンは、シングルスがリュビチッチ、ダブルスがネスター/ジモニッチ組の
優勝で幕を閉じた...ということは、グガは単複ともに優勝者に負けたということなので、
これはやむなし!ということで先に進もう。
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12日(金)にシュツットガルト入りした後、
ボブ・ブライアン、ラペンティ、リオス、コレチャらを相手に、精力的に練習をこなしながらコート
サーフェスへの適応を図る。さすがにマスターズ・シリーズ、練習風景公開だけでお金がとれそうな
豪華メンバーである。
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64ドローの大会だが、上位シード陣の1回戦はBye。グガの2回戦の相手は予選通過者同士の
勝者となっていたが、そこに入ったのが、マックス・ミルニィー(ベラルーシ)とオリビエ・
ロクシュ(ベルギー)。”サーブが速いvs 動きが速い”、”ボレーがするどいvsパスがするどい”、
”でっかいvsちっちゃい”と、好対照の対決で、かなりおもしろそうな1回戦だが、どちらが
出てきても、グガにとってはやっかいな相手といえそう。
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結局、2回戦の対戦相手はミルニィーに。予選通過過程で、9月のブラジル・オープンの覇者・
バチェクと伸び盛りのユーズニィーを破り、本選1回戦ではロクシュを倒しての勝ちあがり
だけに、調子も上々と思われるが、グガの集中力も上がっているはず!
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3戦連続の初戦敗退というのは、95年7月のチャレンジャー・シリーズ(当時は18歳)
以来で、ATPのインターナショナルシリーズに参戦するようになってからは、今回が初めて
らしい。今までなかったというのは、それはそれでたいしたものだ。
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ここでゴチャゴチャ書いていることも雑音のひとつに他ならないが、ひとつ言わせてもらうならば、
こういう時期にはヒゲを剃ったほうがいいんじゃ? ヒゲ面で暗い表情だと、ますます暗くなって
しまうので、見た目
だけでもスッキリした方がいいと思うゾ。ついでに3cmくらい髪を切ってもいいかもね。3cm以上でも
いいけれど、あんまり刈りこんじゃうと、鉢巻姿がみられなくなって寂しいし...なんてことは、
このあたりで止めて、しばし静観すべし。そして吉報を待つ!
グランプリ・ド・テニス (リヨン)
Oct 8 〜 Oct 14
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今季のインドア第1戦。4週間ぶりのトーナメントとあって、初戦は苦戦を覚悟しなければならないが、
その相手はイヴァン・リュビチッチ(クロアチア)。よく当たるなあ...。
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シングルスに先立ち、まず、アラジ(モロッコ)をパートナーとしてダブルスに
登場。地元フランスのマフー/ロードラ組と対戦した1回戦は、6-7(3-7)・6-3・7-6(7-3)
で見事逆転勝ち。もともと、コートサーフェスと久々の実戦の雰囲気に慣れるために挑戦した
ダブルスだけに、2時間16分の熱戦はいいウォームアップとなったことだろう。リヨンのお客さんも
、地元デュオと人気者ペアの対戦を楽しんだに違いない。
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対リュビチッチ戦は6-7(1-7)・2-6で敗れ、インドア第1戦は1回戦負けに終わる。「ほぼ1年
振りのカーペットでの試合で、リズムが掴めなかった。このコートに自分のゲームを適応させるには、
あと1〜2週間必要だね。」...と、初戦負けの弁はほぼいつも同じ。改めてコメントを記すまでも
なく、過去のコメントをカット&ペーストするだけでもよさそうだ。
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ポイント上は、準決勝以上に進出しないと加算されない状況だったので、1回戦負けも、準々決勝
敗退も全く変わらないのだが、少なくとも初戦はクリアーしたかったところだ。これで、次の大事な
マスターズシリーズ・シュツットガルトでも、初戦のプレッシャーがかかってしまうなあ。
記録と記憶
Oct 1 〜 Oct 7
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7月に撮影された Rider のCMが、9月末よりブラジル国内で放送開始されたそうだ。スチールの
画像でも、とてもイイ表情をみせているだけに、是非、動く画像もみてみたいが、このCMの
1シーンである”ビーチで語りあう(?)グガと犬”に対して、手直しの要求が出ている
そうだ。なんでも、フロリアノポリスでは、多くのビーチで動物連れが禁止
されており、TVで流されるCMのシーンとしてはふさわしくないということらしい。
なかなか”絵”になりそうなシーンなんだけどなあ。
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10/1付けのエントリーシステムでも1位をキープし、これで37週目。これは歴代10位で、あと
3週で9位のナスターゼに並ぶことになる。まだまだと思っていたのだが、データとして
みてみると、かなりの”存在”になってきているわけだ。記録自体にはあまり興味はないが、たまには
実際の印象とデータとしての数字を比べてみるのもおもしろいものだ。
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”印象とデータの差”ということでは、昨年度末にグガがランキング1位となった時によく語られた
「クレーコートでポイントを稼いだ」という表現も、データとは違った印象によるものといえる。
ATPランキングに含まれるのは、まず、グランドスラム4大会+マスターズシリーズ9大会。これは
優勝だろうと欠場だろうと関係なく全て算入されてしまうので、ある意味、全ての選手にとって
”平等”といえる。
あえていうならば、13大会中6大会がハードコートで開催されるので、もし”ハードコート
スペシャリスト”なるものがいるとしたら、彼らにとって有利なシステムといえないこともない。
この13大会に以外に算入されるのが、その他のベスト成績5大会分と(上位8選手のみ)最後の
マスターズカップ。
各選手の”ポイントの稼ぎ方”に差が出るのは、GSとMS以外の5大会になるわけだが、グガの
場合、クレーコートで算入されたのは2大会分だけで、あとの3大会は全てハード
コートで稼いだものだったのだ。そして、その5大会分総合のポイントとほぼ同じポイントを、
インドアハードコートのマスターズカップ(リスボン)で獲得したことも合わせると、データ上は
「ハードコートでポイントを稼いだ」という表現が正しいことになる。しかしながら、どこで稼ごうが
ポイントはポイント。それに、”クエルテン=クレーコート”という印象ができたのも、それだけ
クレーコートで印象的な勝利をたくさん挙げたゆえなのだから、それはそれでいいのかも...。
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ブラジル・オープン以来4週間ぶりのトーナメントとなるリヨンへ向けて、10/4(木)にブラジルを
出発。リヨン&シュツットガルトの成績次第だろうが、当初は予定に入っていなかったスイス
インドア(バーゼル)への参加も考えているようだ。働くのも大事だが、あんまり疲れないようにね。
インドア・シーズンに向けて
Sep 17 〜 Sep 30
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先々週のブラジル・オープン開催中は、ファンと一緒にエキシビションを楽しんだり、引退する
オーシンスに”ご苦労様プレート”を進呈したり、オフコートでは、2度のゴルフに、サッカーに、
ギターに、歌に、ダンスに...と、マスコミへの露出度満点だったせいか、先週は全くニュースも
なく静かなもの。トレーニング期間中に静かなのは、何も問題がなく、マスコミにも追いかけられて
いないということなので、これは結構なことだ。練習中に便りがないのは良い便り...。
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インドア・シーズンへ向けてのトレーニングも、20日(木)より本格的に始動。10月8日
スタートのリヨンとマスターズシリーズ第8戦・シュツットガルトの2大会でサーフェスに慣れ、
第9戦・パリとマスターズカップ(シドニー)を大きな目標として臨むそうだ。勿論、その先に
あるのは2年連続の年度末No1。「ここまでの自分のパフォーマンスにはとても満足している
けれど、もっと先を望んでる。」とモーティベーションは十分。
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24日(月)には、Head の Intelligence シリーズのプロモーションに参加。同時に”Instituto
Guga Kuerten ”のファーストプロジェクトの内容も発表された。このプロジェクトにより、332人
の子供たちが、テニスのレッスンを受けたり、地区の社会行事に参加することになるそうだ。この
協会のアイデアが発表されたのは約1年前だが、絵空事に終わらず着々と進行しているなあ。
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USオープン開催中に、”ブラジルのジュニアテニスプレーヤーが、警官が誤って発射した銃弾により
死亡した”という悲しいニュースが流れた。このプレーヤーはリオ・グランデ・スル州出身の
トーマス・エンゲル君(15歳)。お兄さんのルーカスは既にプロに転向しており、トーマス君も
ブラジル16歳
以下のカテゴリーで13位にランクされる有望選手だったという。そのトーマス君は、日頃から、
「いつかグガと同じコートで練習したい。」と語っていたそうで、”対戦したい”や”勝ちたい”
ではなく、”一緒に練習したい”というところが、夢というより現実的な希望だったんだろうなあと
思うと、やるせなくなってしまう。
この事件はAP通信でも報道されたので、続報に注目していたのだが、今だ調査中のようだ。その後の
世界的な大事件のなかでは、無情にも忘れてしまいそうになるのだが、24日(月)の
グガ公式ページに”コーチのラリー・パソスと、リオ・グランデ・スル州のルーカス・エンゲルと
練習”という一文を見つけて、ちょっとホッとしてしまった。世の中にはちゃんと配慮してくれる
人々がいるものだ。
プロとしての力量は謎だし、弟さんの分まで2人分頑張るなんてことも出来ないが、どこかの大会で
ルーカス・エンゲルという名前を目にすることを期待しよう。
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