Gustavo "Guga" Kuerten/ぐがのみち
2001 Vol-7
Vol-7 は、ローランギャロス制覇後の中休み中の話題〜復帰後優勝を 飾ったシュツットガルト〜マスターズ・モントリオール
マスターズシリーズ・カナダ (モントリオール) Jul 30 〜 Aug 5
この質問への回答は以下のとおり。「僕にとっては素晴らしく素敵なものだよ。練習するのも、プレー するのも大好きだし、いいプレーをして、いい気分になるのもね。特に、コートに出ていって、 信じられないようなゲームを戦った時の気分は素晴らしいよ。もちろん、毎日がそんな風には 進まない。時には疲れてしまうこともあれば、とてもハッピーで穏やかな時もある。例えば、 今回の初戦なんかは、決勝とか大きな試合でプレーするようにはいかなかった。でも、何であれ 物事は良い事と悪い事の間を行き来するものだと思う。だから、素晴らしい日々の ためには、悪い時も必要なんだよ。」
南半球のフロリアノポリスから14時間かけてシュツットガルトへ移動し、そこで5試合。次は 12時間の旅でLAへ入り4試合。そこから再び大陸を逆横断してモントリオールで3試合という スケジュールは、飛行機内では全然眠れない私にはゲンナリものだが、さすがにツアープロ、 「ただトレーニングをするだけで試合に出ないよりは、ずっといい。」そうだ。次のシンシナティ への移動は比較的短いし、時差もないが、かなりの暑さを覚悟しなければならないだろう。
メルセデス・ベンツ・カップ (LA) Jul 23 〜 Jul 29
これに関して、コースのパソスさんは、先週のシュツットガルトにおけるプレーも、ハードコート シーズンの前準備になっていたと語る。−−−「シュツットガルトでのグガは、ボールを早め早めに とらえようとしていた。これはハードコートで絶対に必要なことなんだ。」
先週のシュツットガルトに続いて、なかなか威勢がいい初戦後のコメントだが、それだけ本物の自信が ついてきたということだろう。今季すでに5勝というのは、それだけで自信の裏付けとして十分だが、 今季の出場数が10大会ということを考えると、更に自信も増すのだろう。なにしろ 出場したトーナメントの半分で優勝しているということだから。
しかし、”(5勝)全部がクレーだけどね!”という但し書きがつくのも事実。それを払拭するには ハードの大きな大会で結果を出す必要があるが、先は長いだけに急ぐこともないだろう。
トーナメントというのは、負ければ休みは増えるが気が滅入る。勝ったらお金もポイントも 手に入るが疲労も一緒についてくる。誰も勝敗の予測はできないだけに、適切なスケジュールを 組むのも難事業である。勝てる時に勝っておかねばという意見もあるだろうが、今回はこの あたりでOKでは?
今回の15連勝というのは、昨年のハンブルグ〜ローランギャロス〜ウィンブルドン2回戦で 記録した個人記録とタイ。個人的にはあまり記録には興味がないので、これもこのあたりで OKではないかと思うが、ちょっと嬉しい”記録”は、アガシ戦の第1セットをタイブレークで 取ったこと。これでシュツットガルトの準決勝から4回連続でタイブレークを取ったことになる。 これまで3回連続まではいっても、4回目でこけていたので、ちょっと密かな喜びだ。
メルセデス・カップ (シュツットガルト) Jul 16〜 Jul 22
到着早々に練習も開始したそうだが、14日(土)には、市内の駅構内に設置された特設ミニ コートで、子供たちを相手にテニスレッスン。ここでは、ドイツ国籍はもっているがドイツ語は 全くダメのグガのために、オルガさんが通訳として活躍されたそうだ。
そう考えると、”タフだった”2度目のローランギャロス優勝の後、即、ウィンブルドンの準備を 始めて、ウィンブルドンに参加し、風邪をひき、3回戦で敗退し、その後デ杯のためにオーストラリア に渡り、足を痛めて、デ杯も敗退...という昨シーズンは、本当にタフだったのだなあ。
お子様に人気だったのは、グガ本人だけではなく、今回同行しているおばあさんも、”オルガ・コール” がかかるほどの大人気だったとか。
試合後のコメントでは、「足に少し痛みがあり、いつものように動けなかった。」と語っているが、 これは大腿部の痛みなのか、それともテーピングをしている右足首の方なのか? どちらにしろ、 長期に休んだ後であっても、身体的コンディションはバッチリ!という状態はありえないのだなあ。
とはいえ、ライブスコアでみていた限りでは、対戦相手のカニャスに12回ものブレークポイントを 握られるドキドキものの展開だったが、ブレークを許したのは1回のみ。一方、自分が握った ブレークポイントは6回だけだったものの、そのうち5回をものにするという効率の良さ。戦前に 語っていた”これまでの決勝戦の経験をいかす”という言葉どおりの試合運びといえるかな。
落書きの罰金はおいくら?? Jul 9 〜 Jul 15
「今年、ATPトーナメントに合わせて、フューチャーズとチャレンジャーが開催されているのは、 ブラジルテニス界にとっては何よりの大きな贈り物だよ。すでにアンドレ・サが結果を出しているし、 先週はメリーニョ(リカルド・メロー)がひとつ勝った。(サンパウロでは)ワイルド・カードで 出場できる選手もいるだろうし、ポイントと経験の両方を得ることができる。これはブラジルテニスの 大きな1歩だね。」−−−もちろん、ブラジルテニス界にとっても大きな意味があるサンパウロの トーナメントだが、グガにとっても母国で迎える初めての(ATPレベルの)公式トーナメントとなる。「とても 楽しみにしているけれど、やっぱりちょっと緊張するかな?」という言葉通り、きっと力が入って しまうだろうなあ...。
中休み企画・問答集
”コート上で表現する”をモットーとするグガだけに、記者会見での発言は雄弁にはほど 遠いが、時として何気ないやりとりに独特の味を醸し出してくれる。特にニュース性はない ものの、なかなか印象的だった”問答”をいくつかご紹介...(クエルテンの発言は”GK”、 記者または司会者の発言は”Press”でまとめてあります。)これは、'97年ローランギャロス3回戦後の会見から。対戦相手のムスターと比べるとヒョロヒョロだね ぇという意見への反論?! ムスターと比べられると永遠に勝ち目はないが、最近は筋トレのかい あって、腹筋と背筋のバランスも良くなってきたようだ。
思わず”あっぱれ!”と思った返答は、2000年のシンシナティより。グランドスラム4大会中3大会が ハードかグラス、マスターズシリーズ9大会中6大会が速いコートで行われており、今やクレーコート のみでプレーしてポイントを稼ぐ”スペシャリスト”ではいられないという話題のなかでの 質問で、思わず「Yes!」と答えたくなるところだが、そう言ってしまうと見出しになるのは 確実。コート上では時としてせっかちな面もみられるが、会見時の対応はなかなか冷静で、 危機回避能力もあり。
これは'97年のシンシナティでチャンに敗れた後の会見。ハードコートにおけるチャンのプレーの 素晴らしさについて語った後のやりとりだが、なかなか微笑ましくて印象的。
こちらは微笑ましいというよりは、間延びしたやりとりだけど、なんとなく彼らしい会見の一幕だ。 これは'99年USオープン・イヴァニセビッチ戦後の会見。
これはいきなり短髪になった'99年モンテカルロでの会見。当時は髪の毛がらみの話題が多く、この 大会で優勝したらパソスさんが金髪になる!という約束もあった。結局、見事にスーパー9(現在は マスターズシリーズ)初優勝を飾り、めでたく師匠と弟子は揃ってブロンドに変身。
記者さんのぼやきもよ〜くわかる!これは、2000年ローマでの会見。
これも同じく2000年のローマ。発言の主は、”君のおばあさんと同じくらいの歳”らしい。老ジャー ナリスト頑張る!
'98年インディアンウェルズ。会見の話題は彼のド派手なテニスシューズ(DIADORA提供)で、 司会者がグガが履くシューズのつま先が破れていることを指摘した時の会話。この穴あきシューズは 他の大会でも使っていたようで、もしかしたら”ラッキーシューズ”だったのかも。
これは'99年のインディアンウェルズ。準決勝でC・モヤに敗れた結果、週末付けランキングでモヤが 初めて”世界ランキングNo1”に輝くことが決定した。当時のグガ自身のランキングは20位台を 推移しており、正直言って”いつの日か”は遠いだろうなあ...と思ったものだが、翌年に早くも 実現するとは!