Gustavo "Guga" Kuerten/ぐがのみち
2003 Vol-10
2003 Vol-10は、初のインドア・カーペット優勝!を飾ったサンクト・ペテルブルグを含む ヨーロッパ・インドアトーナメントと、2003年シーズンを締めくくるエキシビション(サンパウロ)の模様。
ホームへ戻る 2003 Vol-9 「なまU.S.Open 2003」
Tenis Espetacular (サンパウロ) Nov 5 〜 Nov 8
今季のダブルスランキングは、夏までは40位台をキープしていたのだが、ブラジル・オープン準優勝(w/アンドレ・サ) のポイントが失効した時点で70位台へ。そして、パリ準優勝ポイントがゼロとなった今週は100位外へ一気に後退と いう激しい動きをみせている。この落差の大きさは出場大会の少なさゆえなので、2004年シーズンは色んな選手を捕まえて ちょっと頑張ってみる?!
8月にオリンピックが挟まれることで日程調整が難しい2004年シーズンのスタートは、2003年と同じく オークランドから。インドア・シーズン前には、2004年は出場大会を絞っていくと語っていたので、”戻ってこない 理由はどこにもない”とタイトル防衛を約束していたオークランドもどうだろう?と思っていたのだが、ちゃんと 戻る意志をみせてくれたことは嬉しい。やはり優勝した大会は大事にしないとね。ただ、サンクト・ペテルブルグの 優勝セレモニーでも帰ってくると約束していたようなので、そうなると来シーズンもアジアツアーは期待薄になりそうだ。
「今の僕の成熟度は、これまでとは比較にならないほどだ。おそらく4年前だったら、全てのことに耐えることは できなかっただろうけれど、ラリとの訓練のおかげで、今は敗戦をうまく受け止めることができるようになったんだ。」 「僕はテニスを愛しているし、テニスは僕の正業だ。これからも良いプレーを続けて、できるだけ長く自分でも楽しんで いきたい。」
現在はフルタイムのコーチがいないサレッタだが、仲が良いメリジェニをコーチとして迎える可能性については、 ”友情を終わらせたくない!”と、冗談まじりに完全否定したらしい。
ブラジルのマスコミ相手の会見だけに、サービス精神旺盛のコメントだが、彼が言うと嫌味がなくていいですねぇ。。。
この授与式でも観衆の大声援は続いていた様子。エキシビション開幕前には、チケットの前売り状況に関して、 ”グガの今の人気が試される”とちょっと意地悪な記事も出ていたが、グガ登場の第2日目はほぼ満席となったそうで、 相変らずの人気を実証することとなった。
「(マスターズシリーズ)パリでは、すでに彼らが違う目で自分を見ていたよ。僕がすごく高いレベルにいて、良いプレーをしていることが わかったんだ。このような尊敬を得られるのは素晴らしいことだね。」
クエルテンというのはもともと威圧感がある選手ではないし、対戦相手に威圧感を与えようという気すらないように みえる。ファンとしてはそこも好きなのだが、ちょっと調子が落ちると、威圧感のなさが迫力のなさに繋がって、 対戦相手に”チャンスあり!”というやる気を与えてしまう原因ともなっていると思う。決して尊敬の念が失われる わけではないのだろうが、本人にとっては、そんな状況のドレッシング・ルームは、なんとも居心地が悪い場所 なのだろう。
威圧感に欠ける一方で、一旦調子に乗ると手がつけられないぞ!という評判も、ドレッシング・ルームの常識と なっているだろうから、他の選手の”目=評価”も、グガのダブルス・ランキングのごとく大きく上下するのだろうなぁ。
”決勝”進出を決めたグガのコメント−−−「僕たちは観衆と共にプレーし、決勝に行かねばならないという義務に 近いものがあった。僕たちはその任務を果たしたよ。」「(決勝の)雰囲気はそんなにシリアスなものでは ないだろう。僕たちはやる気を持って臨むけれど、もっとリラックスして、自分の個性を発揮して、観客に 満足してもらうための最高の方法でプレーするだろうね。」
トロフィーと共に帰還 Oct 31
シーズン終盤の優勝には喜びの表情をみせ、2002年のブラジル・オープンと今季のオークランドを上回る”手術後では 最高の優勝”と満足げな様子だが、シーズン全体でみると、クレー・シーズンの成績には大いに不満のようだ。まぁ、 それはそうだろう。。。
BNP Paribas Masters (パリ) Oct 27 〜 Nov 2
サンクト・ ペテルブルグの動画が嬉しくて、これでも十分!と満足していたのだが、やはり大きなTV画面で観たい もんなぁ。でも、煩悩&雑念は捨てて、クリアーな気持ちで初戦を迎えることにしよう。それに、嬉しい優勝で すっかり忘れていたけれど、先々週には膝の検査まで受けていたわけだから、身体のケアを第一にお願い!
これで、いつも心配な初戦を乗り切り、マスターズ・シリーズでは3大会連続初戦敗退という悪い流れも断ち切り、 お兄さんへのバースデー・プレゼントにもなったし、出足は上々!
「勝利に手がかかっていたのに、結局負けてしまった。あの試合に勝っていたら、ハードコートシーズンの 初戦で準決勝だったわけだし、おそらくその後の大会の結果は違っていただろう。」「接戦を落としたことで、 その後の大会で自分自身に勝利を強く要求するようになり、状況はどんどん悪くなってしまった。」
このコメントは9月のブラジル・オープン時のもので、優勝翌週の今はまたちょっと違った見解になっている かもしれないが、フィリポーシスとの対戦に気合いが入ることは間違いない。その一方で、気合いが入り過ぎてもいけないことは 十分身にしみているだろうから、どんな戦いぶりをみせてくれるのか楽しみだ。あ〜あ、観たいなぁ。。。
実は、1回戦の結果を更新しようとした時に、”デ杯カナダ戦のネスター戦・第4セットから、タイブレーク9連勝!” という一文を入れていたのだが、いや、こういうことを書くと途端に連勝がストップしてしまうから止めておこう! と削除していたのだ。
結局は、削除しても同じで、10連勝はならなかったのだが、よくぞ第2セットのタイブレークをひっくり返した。 もし第2セットのタイブレークのスコアが逆(11-13で負け)になっていたら、2000年の準決勝と全く同じ結果だったのだ。 そうなれば、見かけによらず繊細なグガ君は、また新たな傷心を抱えるところであった。あ〜良かった!&でかした!
同じくパソスさんのコメント−−−
「本当にとても嬉しいよ。なぜなら、この試合の”ある瞬間”からは、まさにメンタルな一面がモノをいったからだ。
エースを連発し、190Kmのセカンドサーブを打ってくる選手を相手にしたら、あまりやれることはないからね。
グガは常に試合に集中せねばならならず、第3セットのタイブレークのサービスリターンで均衡を破ったんだ。」
ヘンマン戦後のグガのコメント−−−
「スタートは良くて、彼のサーブを破るチャンスもあった。しかし実際のところは、その後ブレークに成功したのは彼の方
だったんだけど。」「フィリポーシスとの試合で疲れきっていた。特にメンタル面でね。エネルギーがない状態だったんだ。
でも僕はこの最後の試合を楽しんだよ。腕を自由に解き放ってね。そして大切なのは、このシーズンの終わりに、もうひとつ
新たなトロフィーを手にして家に帰るってことだ。」
St. Petersburg Open (サンクト・ペテルブルグ) Oct 20 〜 Oct 26
グガのヴァハリー評−−−「ベースラインのプレーがとても安定しているし、フォアハンドよりもバックハンドが いい。よく走るし、あまりミスはしない。難しい試合になるだろうね。」
グガとサバレタとラペンティのグループと、ゴンサレスとガウディオとサレッタのグループに分かれてラウンド・ ロビン形式で戦い、両グループの1位選手同士が決勝戦を行うというこのエキシビション、日本巡業してくれないか なぁ〜!
(原文では”flutuar”、訳語では”浮く、波打つ”という部分の感覚がよくわからないものの、 ”私に従わず”という部分がおもしろかったので、誤訳覚悟で載せてみました。)
「とても素晴らしい体験だね。この街について多くを学んだよ。できれば、大会の後にもっと見物する 時間があるといいんだけど。」−−−と、素直に観光の感想を語っているのだが、こらこら! 翌週は すぐにMSパリという日程なのだから、大会後に時間を持つためには、ここで早期敗退しなきゃいけないじゃ ないか。街見物はまた来年ということで、しっかりと週末に仕事してくださいね!
9月に行われたパソスさんの結婚式のセレモニーでは、付添い人を務めたグガが目頭を押さえるシーンが何度もあったというが、コーチが もっとも喜ぶであろう”ご祝儀”はまだ渡せないでいるので、ここらでひとつ!と思うが、誰のためという よりも、何よりも自分の喜びのために日曜の決勝を戦ってほしいな。
同じくコレチャ戦後のパソスさんのコメント
「ガルリ・カスパロフとボビー・フィッシャーの対局を思わせたね。今週は、グガはインターネットで
チェスのゲームをたくさんプレーしていたから、これが大いに役に立ったんだろうね。」
(カスパロフとフィッシャーって実際に対戦したことがあるんだっけ?という疑問はあるけれど、ふたりとも チェス好きのようで、しばしばコメントに登場しますね。余談ですが、「ボビー・フィッシャーを探して」 という映画は私のお気に入りのひとつ。ボビー・フィッシャー以来の天才児か?というチェス少年と その師の関係や、天才を子に持った両親の喜びと不安が細やかに表現されており、スポーツの試合を思わせる チェスの大会の模様も含めて、テニス好き・スポーツもの好きの人も興味を持ってみられるん じゃないかな。私は今回のパソスさんのコメントから、パソスさんも観たんだな!と確信いたしました。)
決勝の対サーキシアン戦は前日にひき続きVideo Broadcast観戦。試合開始時間よりも早めに繋いでおいた ところ、ダブルス陣の練習や、試合前のコート整備の様子までみることができて、ちょっと覗き見している 気分になる。動画の流れは快調で、グガのプロフィールに、”Current Residence : Boca Raton U.S.A.” というガセネタが表示されているところまで確認できた。現在Boca Ratonに住んでいるのは相手のサーキシアン の方ですよ。。。
ちょっと心配/ちょっと楽しみ Oct 16
現在確定している出場選手は、クエルテン&サレッタのブラジル勢に、ラペンティとゴンサレス。残る2名の枠は アルゼンチン勢になるらしく、有力なのは対抗戦に参加歴があるガウディオと(マスターズ枠に入らなかったら) ナルバンディアンあたりか。。。 みた〜い!!
Tennis Masters Madrid Oct 13 〜 Oct 19
・・・と、ここまで書いてアップロードを忘れて眠りに落ちている間に、とっとと負けてしまいました。スコアは3−6・ 5−7。U.S.Openの後は、ど〜んと構えて待ってやるぞ!の心構えが出来たので、さほど堪えはしないけれど、 初戦負けが大きなニュースにならないのも寂しいなぁ。ニュースになったらなったで、目にする度に気合い低下 現象をおこしてしまうんだけど。。。
マドリードへ〜 Oct 9
昨年準優勝のリヨンをスキップしてマドリード入りしたのは、昨年はリヨンの疲れが残ってうまく戦えなかったこと、 そしてマドリードのサーフェスはあまり速くなく、前哨戦なしでも適応できると判断したからだという・・・が、 ホントは”新婚”パソスさんのスケジュールと合わなかったからじゃないかしらん??
その情報によると、グガはウェディング・バンドのベースマンとして活躍(?)し、サンタナやジミー・ヘンドリクスを 奏でていたらしい。なんだかいつもアーティストの選択が渋いですねぇ。。。(ちなみに、ウェディング・バンドの ギター担当はデ杯監督さんで、ドラム及びパーカッション担当がオーシンス。)
故障も心配だが、リヨンの後には今年の7月からコンビを組んでいたアルバノさんとのコーチ 契約終了も発表され、そちらの動向も気になるなぁ。約3ヶ月という短期間でのコンビ解消は、いわゆる ”試行期間”を終えて、改めて今後のことを話し合ったうえでの結論だと思うが、期間中の成績はなかなか 良かっただけに、ちょっと意外である。