Gustavo "Guga" Kuerten/ぐがのみち
2005 Vol-4
手術・復帰後のひとつの目標だったローランギャロスを経て、またじっくりと取り組む覚悟が 出来たのではないかな?!の6月〜7月。結果は望まずとはいえ、結果が出ない時期は辛いだろうけれど、未来を 目指して!
IDEA ProKom Open (ソポト) Aug 1 〜 Aug 7
シュツットガルトでも問題になった首から肩にかけての痛みは、2日前からまた始まったそうで、今回はきちんと 医者のチェックを受けるようだ。まだ深刻なものではないと思うけれど、もともとの故障箇所以外が痛みだすのは 身体からの”警告”だし、故障からの復帰途上で一番怖いのが”故障が回る”ことだから、しっかりと 対策してもらいたい。
”tenisbr@sil”の取材を受けたブラジル・デ杯アシスタント・コーチのメネゼス氏によると、7月の対オランダ領 アンティル戦でもグガは首の痛みを訴えていたそうで、サーブのペースを落とさざるを得ない状態だったらしい。 そして、以前のようにまた足の付け根部分も傷みだすのではないかと心配していたとも語っている。長い間 悩まされた故障だから、不安になるのは当たり前だし、それに加えて首にも違和感があれば不安倍増だろう。 自然に治るのが一番だけど、今後のためにも解決可能な原因がみつかるといいなぁ。
Croatia Open Umag (ウマグ) Jun 25 〜 Jun 31
今回はグミィさんもニューヨークでの聴聞会を終えて合流した模様。
1回戦敗退後は、最近のルーティンどおりに金曜日まで居残り練習し、土曜日からワイルドカードをもらったソポトで 練習開始すべく移動するようだ。
Mercedes Cup (シュツットガルト) Jun 18 〜 Jun 24
予定外の長旅になってしまったものの、7/18(月)の夕方には会場入りして少しトレーニングできたようだ。1回戦の 相手は予選上がりのヒューゴ・アルマンド(U.S.A.)。何といっても現在の段階では”上位ランク”の選手だし、 予選ではポルタスを倒しているので強敵であることは間違いない。
「昨日は夕方に(シュツットガルトに)到着して、会場で少しトレーニングすることができた。しかし今日の ウォーミングアップで最初にサーブを打った時に首に痛みが走った。そして試合中ずっとこの痛みに 悩まされてしまったんだ。」「僕はいつもはポイントの80%をサーブがらみで取るけれど、今日はわずかに 60%だった。これが大きかったよ。しかし、少なくともボールはよく打てたし、昨夜の移動を考えたら よく動くことができた。」
「グガは独特のカリスマを持っている。観衆は彼が大好きで、彼が登場すると何か通じ合うものがあるんだ。 たとえ試合に負けても熱気が存在する。それに彼はまだまだ素晴らしいテニスをするよ。」
新体制での挑戦〜 Jun 17
前任者パソスさんの仕事ぶりを高く評価するグミィさんは、ローランギャロスの期間中にパリを訪れていた パソスさんと会って3時間近く会談したそうで、それがとても役にたっているそうだ。(ちなみに、 パソスさんのパリ訪問はグガの様子をみることが第一の目的ではなく、新しいコーチを探してい たマスーのお母さんの招きによるもの。こちらの話がどうなるかも興味があったけれど、今のところ チリ=ブラジル連合は実現しないようだ。)
腰の痛みに関しては、デ杯トレーニングに同行していたトレーナーのサンガリ氏もコメントしており、 足の付け根部分の機能が、オープンスタンスでスライドしながらのフットワークをまだ十分に支え られないのだという。特にフォア側のボールに対して動きが遅いといわれるのもこのためなのだろうか? そのままでプレーしたら再び痛める危険性が高いのではないか?と心配になるのだが、昨年の手術 に立ち会った医師によると、まだ問題があってもプレーを続けることは重要で、そのスポーツに 合った筋肉の活動によって、プレーの動きも改善されていくのだという。
う〜ん、翻訳力不足の コメントだけだと”ニワトリとタマゴ”になってしまうけれど、要は、まだ関節と筋肉の機能が十分に 回復していないから無理はできないし、十分に注意が必要だけど、負荷をかけないと必要な改善は 得られないということか・・・。
デ杯アメリカゾーンII準決勝・対オランダ領アンティル (ジョインビレ) Jun 15 〜 Jun 17
「僕にとってこの試合は大きな意味を持つ。デ杯への復帰戦だったし、おまけに地元だし。僕にとってとても重要な 時期におけるこの勝利は、これから意欲を高く持ち続ける上で助けになるよ。」
結果的には3セットで終わったものの、ベスト・オブ・5セットの試合を勝てたことは自信回復の手立てにもなるが、 試合後はかなり疲れを感じたらしく、そこにまだ課題が残るという。
「こんなに疲れるとは予想していなかった。 とてもよくトレーニングできていたからね。」「しかし、それは当然のことだとも思うよ。試合中は練習より走ら なければならないし、多くのことを要求される。それに何よりもリラックスできないからね。なぜならこれは デ杯の試合だし、彼(対戦相手のブロム)は試合中とても調子が良かった。以前は、試合前にたくさん練習しても 試合でうまくプレーできていた。今後はこれを変えて、ちょうどいい(練習と試合の)配分をみつけなければならない。」
続く第2試合もグガが(最後はちょっともたついたものの・・・)ラウル・ベールに6−0・6−2で勝ち、ブラジルの 完全勝利となった。
デ杯チーム練習開始 Jun 10 〜 Jun 14
「今の僕はサッカー選手のような立場だと感じているよ。”いつでもプレーする準備はできています。監督の役に 立てるように精一杯がんばります”というね。これは僕にとっては今までと違う状況だ。以前はチームのNo.1として プレーしていたし、最も調子がよく最も経験がある存在だった。しかし現在は彼ら(チームメイト)の方が 僕より好調だし、毎週大会でプレーしている。僕はチームの年長だけど、今は彼らからたくさん学ぶことがあるよ。」
グガにはグミィさんがコーチとして同行しており、(おそらくアルゼンチン・デ杯チームに同行しているカオ氏に 代わって)フィットネス・トレーナーとしてファン・パブロ・サンガリ氏がついているようだ。
「重要なのは以前のようにグガがチームに戻ってきたことだ。全てのチームにはリーダーが必要で、我々の場合は それはグガだ。再び彼を頼りにすることができるのは大きな収穫だよ。」
「今シーズンは多くの大会には出ないよ。デ杯の後は年末まであと3〜4大会になるだろう。この1年は ”競争”からちょっと離れて、ランキングの心配はしない。(一緒にTV出演していたサッカー選手の)カフーが 語っていたように、自分がまだ若者で前途には時間がたっぷりあると感じているけれど、今シーズンは回復の途上で あり、トップ選手たちと同等に戦うことができるようになると信じて、トレーニングに集中していく。 故障した後で最も回復が難しいのは精神的な部分だと思う。そこが僕にとって一番の戦いだ。」
「これだけ集中的にトレーニングしたのは久しぶりだ。まだ身体的に100%ではないとわかっているけれど、 自分が競うことができるレベルにあると感じるよ。」「昨日は何時間もトレーニングしたけれど、翌日の時点で 身体はとてもよく回復してきている。以前はこんなトレーニングの後には回復に2〜3日を要していた。 でも今は違うよ。試合することができると感じているし、このデ杯の試合にはとても出場したい。でも僕は他の 選手のコンディションも評価している。皆がいい状態なんだ。」
ちょっぴり自信回復するにつれて周囲の状況を見渡す余裕も出てきたようで、今回の会場に関してもコメント している。
「ここのコートにはとても驚いたよ。室内だけどよく固められている。できたばかりだから窪みがあるんじゃないかと 心配されていたけれど杞憂だった。よく整備されているしプレーするのが楽しみだよ。」
メリジェニはチームのキャプテンとして”会話”が重要だと考えており、選手たちとじっくりと話しをすることで 理解を深め合おうとしているのだという。現在ブラジルNo.1のメローはプレー内容に関して具体的にアドバイスを 求めてくるそうで、同じ左利きでカウンターアタックを得意とする選手だった自分の経験を伝授したり、「サーキットで 培った経験を生かして、もう少し試合中に狡猾になれ。ただしダークサイドには落ちないように!」という アドバイスも与えているそうだ。
グガに関しては技術的な話はほとんどせず、もともと持っているチームのリーダーとして意識をもっと強く出し、 やりたい事や疑問に思う事があったら口に出して言うように求めているという。なにかと”リーダー”という言葉を持ち 出してくるメリジェニ・キャプテンは、グガにはもっと前に出てほしいと考えているんだろうなぁ。 (”もっと前に出てほしい”という言葉は一般の会社でも言われることですね。上司や同僚は”あの人ならできる”と 思っているのに、本人だけがそう思っていないというケースはよくあることで・・・)
約20人の子供たちが参加したイベントでは、上手くボールを打てなかった子へのフォローもバッチリ だったらしく、以前語っていた”テニス選手にならなかったら学校の先生になっていたかも?!”という コメントは本当なのかもね。
夜はブラジル/オランダ領アンティル両チームが顔を合わせる公式ディナー。この席でも”新入りの洗礼”は 続き、メリジェニ・キャプテンからオセバル君にはいきなり10分間のスピーチが命じられたそうだ。歴代の 新入りは歌かラップで凌いでいたそうだが、今回はどうなったことだろう?!
R1 - R.MELLO (BRA) vs D.JOSEPA (AHO)
R2 - G.KUERTEN (BRA) vs A.BLOM (AHO)
R3 - A.SA / F.SARETTA (BRA) vs R.BEHR / A.BLOM (AHO)
R4 - R.MELLO (BRA) vs A.BLOM (AHO)
R5 - G.KUERTEN (BRA) vs D.JOSEPA (AHO)=>(最終日にR.BEHRに変更)
オランダ領アンティルのシングルスに出場するふたりはともに10代選手。初日にグガと対戦するアレクサンダー・ブロムは、 グガが初めてローランギャロスを制した時にはまだ9歳だったそうで、それ以来「歴代で一番好きな選手!」なのだそうだ。 いわばアイドルとの対戦となるわけだが、しっかりと勝つための戦略は考えているらしい。「バックハンドを 打たせないようにする。彼のバックハンドは世界一だからね。それに出来るだけゲームを長引かせるようにする。 グガはまだ身体的に100%の状態じゃないから。」
戦略まで喋ってくれるところが初々しいが、ブラジルは2003年のワールドグループ・プレーオフ対カナダ戦で、 最後に17歳にやられてしまったという苦い思い出があるだけに油断は禁物。
根性の居残り練習 May 27 〜 Jun 24
昨年9月の手術にも立会い、今回は検査を担当した医師によると、”後半戦へ向けての準備を始めてもよい状態” ということで、今ひとつハッキリしないけれど、回復の過程にあって特に想定外の問題はない・・・と理解して よいのだろう。
「人々がこのような子供たちと接する機会はあまりないだろうけれど、子供たちはニッコリと微笑みかけてくれるし、 心からの気持ちで抱きしめてくれるんだ。とても特別なエネルギーが通い合うのを感じるよ。」
余計な心配だけど・・・、グミィ/カロ両氏ともに奥様連れだと思うのだが、その費用はどうなるんだろ? 今までに十分稼いではいるだろうけれど、今シーズンは完全に赤字だよね・・・。
Masters Series Hamburg & Roland Garros 2005 May 7 〜 May 26