放牛石仏の印相一覧

放牛地蔵の場合、多くは宝珠等の仏具を持っています。しかし、地蔵の中には何も持っていないものもあります。それらの地蔵は両手で、特別な形を示しています。それが「印相」(いんぞう)です。印相を示す放牛石仏を集めてみました。

仏教では、手と指の形で示す印相に意味があります。三省堂出版の大辞林では、指を種々の形に折り曲げて、仏や菩薩の悟りや力を象徴的に表すものと記されています。印には、阿弥陀印、禅定印、説法印、施無畏印、与願印、智拳印、降魔印などがあります。

根拠となる阿弥陀如来の、○品○生などの印相は、「阿弥陀と印相」をご覧ください。また、混合仏については、「混合仏の考察」を参考にしてください。文献によって異なる記述がありましたので、私の判断基準は印相を元にしています。

 

第006体   熊本市池田一丁目・往生院の地蔵菩薩立像です。合掌しています。

第008体B  熊本市島崎5丁目の阿弥陀如来像です。下品上生の印相。

第009体   熊本市春日3丁目の地蔵堂にある阿弥陀如来立像です。下品上生の印相。

第015体   熊本市京町1丁目の愛染院にある阿弥陀如来立像です。下品上生の印相。

第021体   熊本市松尾町上松尾の聖観音菩薩です。右手に錫杖、左手に印。

第024体   熊本市権藤町の権藤神社前の阿弥陀如来像です。下品上生の印相。

第030体A  熊本市下硯川町の釈迦如来像です。上品中生の印相。混合仏です。

第033体   熊本市横手5丁目の観音菩薩像です。上品中生の印相。混合仏です。

第035体   阿蘇郡久木野村の阿弥陀如来像です。下品上生と思います。

第039体   熊本市田崎町の薬師如来像です。釈迦の定印を結んでいます。混合仏です。

第044体   熊本市清水本町の地蔵菩薩立像です。合掌しています。

第048体   熊本市春日2丁目の阿弥陀如来像です。上品上生の印相。

第059体   菊池郡七城町台の十一面観音菩薩と阿弥陀如来の混合仏です。上品上生の印相。

第073体   熊本市横手3丁目の阿弥陀如来像です。上品中生の印相。

第074体   鹿本郡植木町内村の阿弥陀如来像です。上品上生の印相。

第086体   熊本市島崎2丁目の釈迦如来像です。上品上生の印相。混合仏です。

第087体   熊本市川尻町の阿弥陀如来像です。上品中生の印相。

第091体   熊本市池上町の阿弥陀如来像です。上品上生の印相。

第096体   熊本市徳王町秋鯰の観音菩薩です。上品中生の印相。混合仏です。

第097体   熊本市河内町黒石の地蔵菩薩座像です。合掌しています。

第099体   熊本市池上町谷尾崎の阿弥陀如来像です。上品上生の印相。

第102体   熊本市河内町東門寺西の観音菩薩です。上品中生の印相。混合仏です。

放牛地蔵に関する資料は、郷土史サークル・放牛石佛の会の皆様方のご好意により、貴重な研究資料を使用させていただきました。