放牛石仏の身長計

放牛石仏の高さを測定しましたので、全体の高さ(前の数字)と仏体の高さ(後の数字)を紹介します。全体の高さは、蓮華座の底辺から光背の頂点までの長さです。仏体の高さは、つま先から頭の上までの高さです。なお、未発見、破壊、紛失してものは記入しておりません。そして、光背が折れているものは、仏体の高さのみ記入しています。立像の高さは黒で、座像の高さはで記しました。単位はcmです。それぞれの平均値は、一番下に書いています。

第001体

 75 47 第041体 台石のみ 第081体     48
第002体  69 36 第042体

紛失

第082体  93 58
第003体     46 第043体     43 第083体  86 50
第004体

未発見

第044体 142 86 第084体  83 49
第005体 103 60 第045体 台石のみ 第085体     61
第006体  92 51 第046体 破損 第086体  80 42
第007体   第047体 106 64 第087体     43
第008体A  74 40 第048体 105 56 第088体  95 50
第008体B  93 50 第049体  86 49 第089体  93 56
第009体  86 50   第050体  68 32 第090体 139 79
第010体

消滅

       
第011体 未発見 第051体  90 50 第091体  67 39
第012体 未発見 第052体 未発見 第092体  88 56
第013体  76 42 第053体 104 61 第093体  70 39
第014体  86 50 第054体 113 64 第094体  80 46
第015体  93 53 第055体 未発見 第095体  70 30
第016体

台石のみ

第056体 111 67 第096体     48
第017体  72 42 第057体 108 58 第097体  53 33
第018体  89 53 第058体  95 50 第098体 103 58
第019体 破損 第059体  95 56 第099体 100 65
第020体 152 93 第060体  97 68 第100体 186 150
第021体 116 72 第061体 未発見 第101体 未発見
第022体 101 59 第062体     66 第102体  77 58
第023体  66 44 第063体  83 59 第103体  78 45
第024体 107 66 第064体 113 65 第104体 台石のみ
第025体 100 61 第065体  88 50 第105体  81 42
第026体  93 55 第066体   第106体  81 46
第027体 100 60 第067体 台石のみ 第107体  83 47
第028体 未発見 第068体 紛失    
第029体 100 57 第069体  87 51    
第030体A  90 60 第070体 破損    
第030体B 137 100        
第031体  92 56 第071体 蓮華座のみ    
第032体  96 62 第072体 破損    
第033体  94 56 第073体     42 無番1体 110 76
第034体  96 57 第074体  74 45 無番2体  72 40
第035体 124 81 第075体  86 46 無番3体  72 41
第036体  92 55 第076体     51 無番4体  67 36
第037体

未発見

第077体  85 49 無番5体  70 37
第038体  68 42 第078体 蓮華座のみ 無番6体 破損
第039体  67 40 第079体  82 45 無番7体  74 43
第040体A 109 60 第080体     55 無番8体  62 40
第040体B  90 49        


●  放牛石仏・立像の平均値  全体の高さ・ 95cm   仏体の高さ・ 54cm
●  放牛石仏・立像の最小値  全体の高さ・ 66cm   仏体の高さ・ 32cm
●  放牛石仏・立像の最大値  全体の高さ・152cm   仏体の高さ・ 93cm

●  放牛石仏・座像の平均値  全体の高さ・ 90cm   仏体の高さ・ 56cm
●  放牛石仏・座像の最小値  全体の高さ・ 67cm   仏体の高さ・ 30cm
●  放牛石仏・座像の最大値  全体の高さ・186cm   仏体の高さ・150cm

仏像の大きさを測定した感想(平成14年1月15日現在)

立像の全体の高さの平均は95cmでした。また、仏体の高さの平均は54cmでした。これらの仏像は高さ30cm程度の台石に乗っていますから、座ってお参りすれば石仏の顔を見上げることになります。
立像で最大のものは、紺屋町3丁目の第20体です。この石仏は、全体の高さも仏体の高さも最大のものです。次に大きいのが、第90体となります。
最小値を示したのは、全体の高さ66cmの第23体(楠野町)、仏体の高さ32cmの第50体(泗水町南田島)となります。
全体の高さ平均95cmから仏体の高さ平均54cmを引けば41cmになりますが、蓮華座で11cmあり、仏体の頭部から上の光背部分が30cm程度と想像できます。そこで、光背が折れている石仏も、全体の高さは推測できます。

座像の仏体の高さ平均値が、立像の平均値を超えてしまいました。これには二つの理由があります。座像の数が少ないのに第100体があまりにも大きくて、平均値を高めています。もう一つは、座像のいくつかは仏体と蓮華座が別々に製作されていて、全体が大きくなっているからです。
最小値を示したのは、全体の高さ67cmの第39体(二本木3丁目)、仏体の高さ30cmの第95体(戸島町)となります。第95体の印象は、仏像に対して光背が高く感じます。上の一覧表からも分かるように、後半の石仏は座像が多くなっています。第91体からは奇数番号はすべて座像になり、第100体も座像です。

放牛上人は願主となって、仏像製作を石工に依頼しました。このときどんな話をしたのでしょうか。長さの単位は尺貫法だったと思いますが、集めた浄財(経費)のことや入手できた石材の大きさにも関係して、石仏の大きさは決定されたのかもしれません。
知り合いの石材店にお尋ねしたところ、当時の技術で製作すれば、小さな物で一週間・大きな物で10日間くらいではないだろうかということでした。なお、この程度の石仏は10〜20万円くらいかかるということでした。自宅の庭に地蔵を置きたいと言いましたら、家族から反対されました。なお放牛石仏の大半は、安山岩で造られています。

001体・出仲間8丁目−−002体・近見町−−003体・迎町−−004体・未発見−−005体・春日4丁目